デイリー新潮2024年01月25日
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/01251056/

 昨年末の「週刊文春」特集記事に端を発した松本人志(60)を巡る騒動は、いまだ収まる気配がない。取り沙汰される「芸能界引退」の可能性は――。

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 裁判ともなれば、一審だけで最低2年、判決に納得がいかず控訴・上告となって、最高裁までもつれたとすれば、5年はかかると予想する識者もいる。

 テレビのレギュラーだけで7本を抱える売れっ子が突然の活動休止。しかも長期不在となる可能性も高く、各局は大混乱に陥っている。

代役を真剣に検討し始めた局も
 ダウンタウンとして出演していた番組は、当面、相方である浜田雅功(60)の片翼飛行でしのぐようだが、中居正広(51)と松本の絶妙な掛け合いが肝の「まつもtoなかい」(フジ系)のように、当人がいなければ番組のコンセプト自体が変わってしまうものもあるのだ。

 キー局幹部の話。

「コンプラに厳しい昨今、スポンサー離れが現実化してきたことで、これ以上は局にも迷惑をかけられないと判断して松本さんは身を引いたと考えられますが、そうなれば裁判が終わるまで復帰はできない。代役を真剣に検討し始めた局もあります。実際、「人志松本の酒のツマミになる話」(フジ系)は千鳥を代役にして収録が行われたそうです」

“紳助流”の引退
 大物芸人が突然、テレビから消えて思い出されるのは、松本が尊敬する島田紳助(67)が、自らのスキャンダルを理由に芸能界を引退した一件である。

 お笑い評論家のラリー遠田氏によれば、

「若い頃から仕事にストレスを感じていた松本さんは、“いつ辞めてもいいと思っている”などとたびたび口にしていました。ただ、紳助さんが抜けた後のM-1グランプリを託されて、後輩芸人の活躍を支えお笑い界を盛り上げようという使命感を持っていたのではないでしょうか。辞めたくても辞められないという思いで、これまで続けていた部分はあったと思います」

 かつて松本は自著の中で、芸人はアスリートと同じく引退する時が来るとして“40歳がピーク”と語っていたし、5年前には笑福亭鶴瓶(72)との対談で、辞めたいと何年も前から思っていることを明かした。

 何かと自主規制が増えたテレビ界にも嫌気が差していた最中のスキャンダル。存分に活動ができなくなった今、裁判の行方次第では“紳助流”の引退が、現実味を帯びつつある。

週刊新潮 2024年1月25日号掲載