2024/01/23 14:32
 【パリ=伊丹理雄】パリ五輪の開幕まで約半年と迫る中、開会式の会場となるセーヌ川の沿岸に並ぶ青空古書店を巡り、仏当局と店側の対立が深まっている。
パリ警察は昨年、治安維持のため一時立ち退きなどを要請したが、店主たちは「歴史のある景観を損ねるのは断固反対だ」と怒りをあらわにしている。

 7月26日に行われる開会式は五輪史上初めて競技場外で実施される。各国の選手が約160隻の船に分乗し、セーヌ川を下る予定だ。

 そのセーヌ川の沿岸には、蓋を上げると屋台になる緑色の箱がずらりと設置されている。「ブキニスト」と呼ばれる露天の古書店で、起源は16世紀に遡るとされる。エッフェル塔などと並ぶパリの観光名所だ。

 AFP通信などによると、パリ警察は昨年、警備体制の強化を理由に五輪期間中、900箱以上あるうちの約半数を一時撤去し、残りも営業停止することを要請した。
しかし、ブキニストの約8割が登録するパリブキニスト文化協会はこれを拒否。今月開いた総会で、当局を相手取り、立ち退きの撤回や、休業期間中の補償などを求める訴訟を起こす方針を確認したという。

https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2024/20240123-OYT1T50098/
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