山本由伸争奪戦に敗れ、FA市場から2年総額3700万ドル(約54億8000万円)で前カブスのマーカス・ストローマン投手を獲得したヤンキースのキャッシュマンGMが18日(日本時間19日)、オンライン会見でメディアに対応。山本獲得失敗からの方向転換について振り返り、ストローマンの活躍に期待した。

 昨年9月に日本でオリックス時代の山本がノーヒットノーランを達成した試合を観戦。ロサンゼルスとニューヨークで2度の直接面談も行った交渉では、背番号「18」のユ二ホームを山本に手渡して熱意を示したが、ドジャースに敗れた。キャッシュマンGMは「山本の懸案が決まるまでは、全てが保留状態になっていた。GM会議の段階から代理人と接触していたが、意図したこと(山本獲得)が実現しなかった時は、路線変更しなければならない。彼のことは常に会話の中にあったが、山本が(ドジャース行きを)決断した後、(ストローマンとの)交渉が真剣味を帯びていった」と、山本獲得失敗からのプランBへの舵取りを明かした。

 地元紙の報道では、ヤンキースは山本に年平均年俸額でドジャースの2700万ドル(約40億円)を上回る3000万ドル(約44億4500万円)を提示。メッツはドジャースと同条件だったと報じられている。同GMは「皮肉なことに、メジャー選手の中にはニューヨーク地域でプレーしたくない、という選手がいるのは本当だ。暑すぎるとか、厳しすぎるとか、注目され過ぎるとか。だが、彼は違う。この究極の闘士にそんな心配はいらない。彼は大舞台を好み、競争の中でより力を発揮するタイプだ」とニューヨーク出身のストローマンを持ち上げつつ、チクリと恨み節。「機会があれば、更なる補強の可能性はゼロではないが、去年より戦力はアップした。現状の布陣に満足しているし、キャンプに準備が出来たと思う」とキャッシュマンGM。“山本ロス”から吹っ切れたように語った。

 また、ストローマン本人も「ヤンキースでプレーすることで、注目度や重圧を懸念する人もいるだろう。私は逆に、自分の良さが発揮できると思う。ニューヨークで育った自分にとって、ピンストライプのユニホームを着て投げることを想像することは、鳥肌が立つ思いだ。もうすでに、4、5回ブルペンに入っており、体調は良好。キャンプで才能ある選手からいろんなことを学ぶことが楽しみだ」とGMの考えに同調した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8b5624e92f5bcc5ea50abdd16c51ccb06f274e81