2023/12/21

「(日本)代表やオールスターなどでしゃべったことのある選手はいますが、これからはいろんな選手、いろんな人としっかりコミュニケーションを取れたらいいなと思います」

 12月19日に福岡ソフトバンクホークスへの入団が正式決定、即座に入団会見に臨んだ山川穂高選手(以下敬称略)。11月14日に埼玉西武ライオンズからフリーエージェント(FA)権を行使してから1か月以上、ようやく2024シーズンをプレーする球団が決まった。

 会見で“入団前にホークス選手と連絡をとっていたのか”を聞かれると、同郷の沖縄県出身の嶺井博希と、ともに『WBC2023』で日本代表チームでプレーした牧原大成の名前をあげつつ、今後は新チームで交流を深めていく意思を示した山川。

 とはいえ彼の入団によって、交流を図るどころか、ホークスを追われる選手がいるのも事実。今年度のライオンズでの年俸は2億7000万円とされるだけに、チーム内で「Aランク」に該当。ホークスは山川獲得と引き換えに金銭、もしくは人的補償を支払う必要がある。

 人的補償を選択した場合、ライオンズは「プロテクトから外れた選手」のリストを受け取り、そこから獲得したい選手を選ぶことになる。FAによって主力選手を放出する機会が多かったライオンズだが、これまで人的補償で思わぬ“大物”を獲得したケースも。

“プロテクト漏れ”期待される大物選手

 2005年に読売ジャイアンツに移籍した豊田清の人的補償で入団したのは、かつて2度の本塁打王に輝いた元4番打者・江藤智。2018年にも炭谷銀仁朗に代わって獲得した元巨人のエース・内海哲也らが良い例だ。実績もさることながら経験値あるベテラン選手の移籍は、若手選手の育成に尽力する球団にとって戦力以上の存在となっただろう。

 そしてホークスの“プロテクト漏れ”選手だが、江藤や内海にも劣らない実績を持ち、なおかつ山川騒動でストレスを溜めた西武球団、そしてファンの溜飲を下げる“うってつけ”のビッグネームが浮上している。

「今年で34歳を迎えたヒットメーカー・中村晃選手ですね」とはパ・リーグを中心に取材を重ねるスポーツライター。2007年の高校生ドラフトでホークスに入団、プロ生活16年を重ねたベテラン選手の中村。もとは外野手登録ではあるが、近年は一塁手としてレギュラーの座についている。

「山川も同じく主戦場はファーストで、指名打者には巨人からトレードで入団したアダム・ウォーカーが入る見込み。“レギュラーは柳田悠岐と近藤健介だけ”と明言し、他はレギュラー争いを促す小久保裕紀新監督ですが、まずファーストを守るのは山川でしょう。

 過去に打率3割以上を3回記録した巧打者で、4年連続のゴールデングラブ賞を受賞した守備も魅力的な中村選手ですが、近年は衰えのためか成績も下降気味だけに、覇権奪還を課せられたチームの一塁手として物足りなさを感じるのも事実」

「故郷の埼玉に戻ってこないか」の声

 そんなホークスのチーム背景もあるのだろう。山川の入団が決定的になって以降、中村の移籍を“チャンスあり”とばかりにSNSで願っているライオンズファンだが、さらなる理由というのが、

《中村晃くん!故郷の埼玉に戻ってこないか!》《地元埼玉に帰ってこい》《晃の地元埼玉なんだよね もっと言うと朝霞市出身》

 中村の出身地が、ライオンズが本拠地を置く埼玉県であることだ。前出のライターによると、

「例に漏れず野球少年だった中村は、生まれ育った朝霞市内の小中学校で野球漬けの日々を送り、中学時に県選抜に選出され、引退後には『Kボール』に参加して全国大会に出場しています。そして東京の強豪・帝京高校に進学するわけですが、1年生から頭角を表して早々に中心選手に。

 3度の甲子園出場で活躍した後に指名を受けたのがホークスでしたが、子どもの頃は熱心なライオンズファン。以後も市の記念イベントでビデオメッセージを送ったり、地元消防局の火災予防ポスターでモデルを務めたりと、地元愛は深いですよ」

 なるほど山川が起こした騒動と移籍にモヤモヤするファンだが、代わりに埼玉県出身のスター選手がライオンズに来るとあれば、話は別ということか。

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https://www.jprime.jp/articles/-/30350?display=b
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