2024年3月31日をもって解散することが発表されたお笑いコンビ「ANZEN漫才」。同コンビは、抜群の身体能力と天然キャラのみやぞん(38)と100キロ超えの巨体でツッコミ担当のあらぽん(38)の足立区生まれで幼なじみだった2人で結成された。NEWSポストセブンが取材を進めると、 “格差コンビ”の埋まらない溝が徐々に深く広がっていったなかでの解散劇だった──。

「足立区の治安の悪さをネタにして2016年にコンビで出演した『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の若手芸人を扱う企画で話題となり、その後すぐにみやぞんは『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)で大ブレイクし、2018年には『24時間テレビ』のチャリティーランナーも務めました。コンビ仲もよく、これからという時期だったので驚きました」(スポーツ紙記者)

 事務所の発表によると、みやぞん本人より「会社を離れて自分の力でいろいろなことにチャレンジしていきたい」との申し出があり、年内をもって浅井企画から独立してフリーに。あらぽんは浅井企画に残って芸能活動を続けていくという。コンビを組んで15年。家族のように人生を共にしてきた2人に何が起きていたのだろうか。芸能プロ関係者が語る。

「なかなか人気が出なかった2人ですが、みやぞんが『イッテQ!』でブレイクしたときはコンビにとっても大きなチャンスでした。ただ、みやぞんがブレイクすればするほど海外の仕事が多くなり、月の半分を海外で過ごす多忙なスケジュールになっていきました。コンビとして賞レースに参加することも難しくなっていったそうです」

 2017年に13年間の交際を経て、一般女性と結婚したあらぽん。2020年には第1子となる女児も生まれた。現在も子育てをしながら生まれ育った足立区で暮らすあらぽんとは対照的に、みやぞんは多忙のあまり、内見なしで間取り図を見ただけで即断。足立区から都内高級住宅街にある2LDKのマンションに引っ越している。コンビの格差は家の変化だけでなく、収入にも影響が出ていた。

「当初、コンビの収入は同じくらいでしたが、忙しさに比例して2人の収入の差は広がっていくばかりだったそうです。あらぽんはいろいろなネタに挑戦したかったのですが、歌ネタのイメージが定着してしまい、コンビ名にもなっている“漫才”はできる状況ではありませんでした。

 実家も近所で仲の良かった2人でしたが、みやぞんが多忙過ぎて、あらぽんと顔を合わせても目の前の仕事のことでいっぱいいっぱい。最近の会話は事務的な内容が多かったようです」(同前)

 解散発表後、あらぽんは自身のブログで「まさか自分が解散のご報告をするなんて思いませんでした」と語り、「コンビ歴23年、友達歴36年」のみやぞんへ感謝の思いを書き残していた。

《2歳からの幼馴染で相方のみやぞん 成功するなんてなんの根拠もなかったのに『大丈夫だ!』っていう言葉だけでコンビ組んでくれました。なんの結果も出ない時期は深夜の荒川の土手で週7でゲロ吐くほどネタを練習してたのを覚えています(略)ここまで大きくなったのはみやぞんの頑張りがあったからだと今でも思っています。本当にありがとう。応援してるから頑張れよ!》

 相方みやぞんとは別々の道を進むあらぽんは、芸人引退も考えた時期があったという。

「コロナ禍もあり、収入は不安定になりました。ギャラがない月もあったようで、みやぞんから解散を相談されたときは芸人を辞めることも考えたそうです。あらぽんは多趣味で、10年ほど前から“ひょうたん”を使ったアーティストとしても活動しています。今後はピン芸人として食レポのTikTokやYouTubeにも本格的に力を入れていくそうです」(同前)

 ANZEN漫才でありながら、皮肉にも“漫才”を続けることが難しくなったコンビの終幕だった。

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