【No Ball、No Life】人口を含めた都市の規模によって格差が生まれる。これはいろんなことに当てはまり、Jリーグも都市の規模によってクラブの経営規模に格差が生じている。富めるクラブはより大きく、そうでないクラブはそれなりに。懐に入れるものに限界があれば、ない袖を振れないのは当たり前。今後、資金力による格差はより顕著になっていく方向にある。

【写真】表彰式でシャーレを掲げる神戸・大迫勇也と武藤嘉紀

都市の規模、クラブの規模をホームスタジアムの入場可能数で考えてみたときに、今季J1の上位には球技専用、陸上競技場に関係なく多くの収容人数を誇るホームスタジアムで戦うクラブが名前を連ねている。上位5クラブは優勝した神戸のノエビアスタジアム神戸(2万9913人)、2位横浜Mの日産スタジアム(7万1624人)、3位広島のエディオンスタジアム広島(3万5909人)、4位浦和の埼玉スタジアム2002(6万2010人)、5位鹿島の県立カシマサッカースタジアム(3万8620人)となっている。※数字はJ公式サイトの各クラブホームスタジアムに記載の入場可能数。

6位~10位でもっとも少ないのは福岡のベスト電器スタジアム(2万1562人)で、14位鳥栖まですべて2万人を超える入場可能数を誇る。実際に集客した年間の平均観客動員はまた違った数字になるが、ホームスタジアムの規模はその都市の規模であり(鹿島のような例外あり)、そのままクラブが持つポテンシャルのひとつだと個人的に考えている。

今季のJ1には2万人に満たないホームスタジアムで戦ったクラブが3つあった。柏、横浜FC、湘南で、それぞれ三協フロンテア柏スタジアム(1万5109人)、ニッパツ三ツ沢球技場(1万5442人)、レモンガススタジアム平塚(1万5380人)となっている。最後まで残留を争った3チームであり、この規模で戦うチームがJ1の上位に進出するのは今後難しくなっていくのではないかとみている。だいたい同規模のホームスタジアムで戦う清水、磐田もここ数年でJ2降格を経験し、千葉はJ2の沼にハマり、大宮に至ってはJ3降格である。他にもJ2、J3には2万人に満たないホームスタジアムで戦うクラブが多い。

無論、ホームスタジアムの大きさで戦うカテゴリーや順位が決まるわけではない。柏や湘南がJ1で粘り強い戦いを続けた一方で、パナソニックスタジアム吹田(3万9694万人)で戦うG大阪は16位に低迷した。J2の大分、熊本は3万人を超える入場可能数を誇るホームスタジアムで戦っている。ただ、すべてがすべてではないが、繰り返しになるがホームスタジアムの規模=クラブが持つポテンシャルのひとつだと個人的に考えている。

来年、いくつかの新スタジアムがオープンする。広島が約3万人、長崎が約2万人、金沢は約1万人を収容となっているが、なんとなく各クラブが戦うカテゴリーが想像できてしまう。

秋田、山形、鹿島、川崎なども新たなホームスタジアムの竣工(しゅんこう)を予定しており、川崎は3万5000人規模となっている。

鹿島は都市の規模を考えると現在と同じ4万人規模は現実的にみて厳しい。
かといって、2万人に満たない規模で建設すると自らポテンシャルを小さくすることになる。

大都市のクラブが上位を占めるなか、なんだかんだありながら鹿島は今季も5位に食い込んでいる。地域格差がより如実になっていく今後に鹿島がどんなホームスタジアムを持つのか、その判断が注目される

12/5(火) 15:00 サンスポ
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