ここ最近、『ホロライブ』や『にじさんじ』といったグループに所属する人気VTuberたちの配信で、“桃鉄ドタキャン”騒動が連続して起きている。謎めいた現象に、ファンのあいだではさまざまな憶測が飛び交っているようだ。

直前で『桃鉄』から『人生ゲーム』に変更

11月20日、「ホロライブ」では“あくしおみこめっと”として、湊あくあ、紫咲シオン、さくらみこ、星街すいせいがコラボ配信を決行。そこで当初立てられたYouTube配信の枠には、「わちゃわちゃ桃鉄コラボ」という文字が綴られていた。

しかしなぜか直前でその予定が変わったようで、実際に配信されたのは「わちゃわちゃ人生ゲームコラボ」。10月6日に発売されたタカラトミーの『人生ゲーム for Nintendo Switch』を4人でプレイする内容となっていた。

また同日には、同じく「ホロライブ」で夜空メル、夏色まつり、白上フブキ、アキ・ローゼンタールによる1期生コラボも行われた。こちらも事前の配信枠では「世界を周る1期生の4人で桃鉄バトル!」と表記されていたが、実際の配信は「これが私達の人生!!? みんなで遊ぶ人生ゲームバトル!」へと変更されている。

さらに事務所の枠を飛び越えて、11月28日には「にじさんじ」の「ド葛本社」、ドーラ、葛葉、本間ひまわり、社築によるコラボ配信で同じ現象が発生。ファンたちが「桃鉄」配信を期待するなか、直前で「人生ゲーム」の配信へと変更されていた。

「にじさんじ」ライバーは実情をポロリ

配信が次々とドタキャンされているのは、11月16日にKONAMIから発売されたニンテンドースイッチ用ソフト『桃太郎電鉄ワールド 〜地球は希望でまわってる!〜』(桃鉄ワールド)。シリーズ最新作となる同作では、日本だけでなく世界中の国々が舞台となっており、壮大なスケールでのすごろくゲームを楽しめる。

しかし世界規模のゲームとなったことで、かえって配信者が手を付けにくくなってしまったという説も。

「今の世界情勢を鑑みると、『桃鉄ワールド』はうかつに配信者が手を出せる代物ではないかもしれません。中国と台湾の緊張関係やロシアのウクライナ侵攻に続き、最近ではイスラエル・ガザ戦争も勃発したばかり。

ゲーム内ではイスラエルやウクライナなどの地域も登場していますし、それどころか世界の紛争地に救援物資を届けるというイベントも発生します。ちょっとした発言で大炎上しかねないので、とくに企業所属のVTuberにとっては特大のリスクがあります。そもそも運営側からストップをかけられている可能性も高いでしょう」(VTuberライター)

企業VTuberが「桃鉄ワールド」を配信できない理由は、やはりこうした背景にあるのだろう。「にじさんじ」ライバーのルイス・キャミーも11月17日の配信で、「桃鉄ワールド」をやりたいと言いつつ、「世界情勢的にね、ちょっとやりづらいというか、やれないんですけども」と明かしていた。

ちなみに「桃鉄ワールド」自体には、複雑化する世界情勢への配慮が至るところに存在。たとえば都市に到着した際、その国の国旗が表示されるシステムになっているが、台湾の都市「台北」や「高雄」にかぎっては例外的に国旗が出てこないという。

「桃鉄ワールド」の配信が一切存在しないわけではなく、兄者弟者などのゲーム配信者などはいつも通りに実況プレイを行っている。逆にいえば、それだけ今の大手VTuber事務所がリスクに敏感になっているということかもしれない。

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