サッカー森保ジャパンが向かうところ敵なしの絶好調だ。過去5戦勝ちなしの地・サウジアラビアで行われた11月21日のW杯アジア2次予選・シリア戦も怒涛の攻撃力を見せて5-0で圧勝した。

この試合では放映権を盾にしてシリア協会側が1億円以上の放映権料を提示。日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長(66)は日本でのキックオフ時間が日本時間21日午後11時45分の夜中とあって「何億も出せ!と言われても出せない」と固辞。
’98年、日本がW杯初出場を果たしたフランス大会のアジア予選以降、初となるテレビの生放送、国内向けの有料動画配信もない前代未聞の異常事態となった。いったい何が起きているのか。

◆「3000万円でも高いぐらい……」

代表史上最長となる8連勝と、森保ジャパンの強さは本物だ。本来なら笑いが止まらないはずだが、田嶋会長はここのところ不機嫌の日々が続いている。シリア戦ではテレビ放送はもちろん生配信もなし。ライブ放送の全滅がその理由だ。

田嶋会長は「(W杯2次予選の)放映権で儲けようとしている。私が聞いているところではどんどん(シリア協会側が)釣り上げようとしていたのは事実。(放映権の)相場が崩れるのはいいとは思わない。
適正な価格というものがある」と再三、主張していた。ではシリア協会側が提示した1億円以上というのは実際はいくらぐらいなのだろうか。民放局サッカー担当ディレクターはこう明かす。

「シリア側が言ってきたのは、前回(’22年6月)、ブラジル代表が日本に来て、(日本)代表と試合をしたときについた放映権料に匹敵します。これはありえない金額です。シリア側の主張の半額以下、3000万円台でも高いくらいです」

関係者の話では、ブラジル戦の放映権料は推定2億円。一方、今回のシリア戦の放映権料は、日本のテレビ局サイドは3000万円台以下と考えていた。双方の希望額の開きがあまりにも大きかった。

日本がW杯初出場を果たした’98年フランス大会のアジア予選以降、たとえ深夜でもサッカー代表戦のテレビ生中継は常で、日本サッカーの人気を支え続けてきた必須アイテムのひとつだった。

「常識外の金額の“放映権”を払う必要はない」という声もある一方、前出のディレクターはこう明かす。

「昨年のW杯でドイツやスペインを倒して以降、森保ジャパンのテレビ視聴率は確実に高値で安定しています。国民の皆さんが見たいと思っている証です。現状、森保ジャパンを放送したくないテレビ局はありませんから。
JFAが放映権料の交渉さえまとめてくれれば、シリア戦であってもどの局も放送したかったと思います」と、放送できるスタンバイをしていたにもかかわらず、できなかった悔しさを滲み出していた。

シリア戦のテレビ放送がなかったことについて、選手を代表して久保建英(レアル・ソシエダード)が「お互いの国対国が優しさみたいなものを出してくれたら、
日本の皆さんも試合を見られてハッピーだった。日本の代表戦が、当たり前に地上波でやってほしいという思いはある」と代弁する異例の事態に発展した。

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