国際親善試合が21日に行われ、ドイツ代表とオーストリア代表が対戦した。

 ドイツ代表はEURO2024開催国のため予選を免除されている。FIFAワールドカップカタール2022で2大会連続のグループステージ敗退という憂き目を見た後、今年9月のインターナショナルマッチウィークでは日本代表に1−4と大敗を喫し、ハンジ・フリック監督の解任を決断。ユリアン・ナーゲルスマン新監督の下で臨んだ10月のインターナショナルマッチウィークでは1勝1分を記録したものの、今月18日に行われたトルコ代表との一戦は2−3で敗れた。依然として不穏な空気が漂っている中、既にEURO2024本大会出場を決めているオーストリア代表のホームに乗り込む。

 ナーゲルスマン監督はトルコ代表戦からスターティングメンバー3名を変更。マッツ・フンメルス、レオン・ゴレツカ、セルジュ・ニャブリが新たに先発に名を連ねた。カイ・ハフェルツは引き続き左ウイングバックで起用されており、トーマス・ミュラーやフロリアン・ヴィルツらがベンチから出番を待つ。一方、オーストリア代表はダヴィド・アラバ、コンラッド・ライマー、マルセル・サビツァーらの主力が先発に並んだ。

 試合は序盤から一進一退の攻防が続いたが、29分にスコアが動く。オーストリア代表は自陣でルーズボールを拾い、素早くカウンターへ。前線へのロングフィードをミハエル・グレゴリチュが頭で落とすと、前を向いてボールを持ったクリストフ・バウムガルトナーが左サイドへ展開。ボールを受けたサビツァーは細かいステップから中央への持ち出しで対峙したヨナタン・ターの足を開かせると、右足で股下を通す一撃を狙う。グラウンダーのシュートがニアサイドに吸い込まれ、オーストリア代表が先手を取った。

 オーストリア代表の1点リードで折り返した後半、ドイツ代表を窮地に追い込む出来事が発生。オーストリア代表のフィリップ・ムウェネが自陣左サイドからボールを持ち運んだ際、レロイ・サネが遅れてチャレンジへ。ファウルを受けたムウェネがサネへ詰め寄ると、ヒートアップしたサネが報復行為でムウェネを突き飛ばしてしまう。このプレーでサネにはレッドカードが提示され、ドイツ代表は1人少ない中での戦いを強いられることとなった。

 数的優位となったオーストリア代表はここからゴールに迫るシーンを増やしていくが、待望の追加点を挙げるには至らない。それでも73分、敵陣へ押し込んだ構図の中、最終ライン中央でボールを持ったアラバが縦パスを供給。中央でこのパスを受けたグレゴリチュがダイレクトで叩くと、反応したバウムガルトナーがフンメルスを置き去りにしてボックスへ侵入。最後はループシュートでゴールネットを揺らし、オーストリア代表がリードを広げた。

 試合はこのままタイムアップを迎えた。ドイツ代表はトルコ代表戦に続く2連敗。泥沼の2023年、国際Aマッチの成績が3勝2分6敗となった。一方、オーストリア代表は17日に行われたEURO2024予選のエストニア代表戦を2−0で制していたことから、2連勝を飾って11月のインターナショナルマッチウィークを終えた。

【スコア】
オーストリア代表 2−0 ドイツ代表

【得点者】
1−0 29分 マルセル・サビツァー(オーストリア代表)
2−0 73分 クリストフ・バウムガルトナー(オーストリア代表)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1c72ec320752f0bcc6fadec794c98d8c289bcbb7