サンスポ2023/11/18 21:08
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大相撲九州場所7日目(18日、福岡国際センター)2場所連続優勝を狙う大関貴景勝(27)は、平幕豪ノ山(25)に寄り切られ、前半戦で2敗目を喫した。大関豊昇龍(24)は小結阿炎(29)を送り出し、1敗を守った。関脇琴ノ若(25)、平幕一山本(30)はとともに初黒星となり、全勝が消えた。(観衆=6980)

突き合って、押し合って、最後は出足で圧倒された。大関貴景勝が平幕豪ノ山に土俵下まで転がされ、前半戦で早くも2敗目。「綱とり」の機運は風前の灯となった。

「負けたので理由は必ずある」。立ち合いから圧力を受けた。突き返したが、右差しを許し一気に寄り切られ、埼玉栄高の後輩に力負けした。9月の秋場所を11勝で制したが、1場所15日制が定着した昭和24年以降4例目の最低成績に加え、先場所の優勝決定戦では平幕熱海富士に立ち合いの注文相撲。厳しい指摘が相次ぎ、昇進問題を預かる審判部は今場所を綱とりと、明言していない。

高い水準の結果と内容が注視されるなか、土俵下で見守った浅香山審判長(元大関魁皇)は「押せていない。伸び上がって全く前へ攻めていない。勝っている相撲も一気に攻めていく相撲がない」と手厳しい。

休場していた元大関の実力者、平幕朝乃山が8日目から出場。貴景勝と対戦する。大関は「初日からやってきたことを出すだけ」。福岡市はこの日、11月としては平成25年以来10年ぶりに「初雪」を観測した。昇進への淡い希望を、溶かして流すわけにはいかない。