“何が出るかな!?お楽しみデスマッチ”と銘打たれたこの試合は、1R 2分のラウンド制であり、2分ごとにヒロムがルーレットを回してルールを決定される。

最初の【ミュージカルシチュエーションデスマッチ】では流れる音楽の雰囲気に合わせた動きでないと技が認められないルールであり、当初は困惑していたヒロムであったがムーディーな音楽が流れると目を閉じて平田の唇を奪おうとするなど早速DDTの世界観に染まりかけてしまう。続く【ハンディキャップマッチ】では2vs1での試合となり、平田にヨシヒコが加勢。ヒロムはヨシヒコにコーナーデスバレーボムからTIME BOMB、さらにえげつない餅つきパワーボムからTIME BOMB IIまで叩き込むがヨシヒコは涼しい顔でキックアウト。

続いては伝統と格式ある【目隠し乳隠しデスマッチ】。野毛道場では一切教わっていないであろうプロレスにもヒロムは必死に食らいつき、乳首の露出を阻止。続く【ダンシングデスマッチ】はダンスを踊らなければ試合を決着できない形式。ダンスを断固拒否するヒロムに大ブーイングが浴びせられる中で次のルールへ。

しかし、ここでルーレットが確変に突入してすべてが【ダンシングデスマッチ】に。これ以降は1R 55分で行なわれることとなり、ヒロムの表情が絶望に染まる。心が折れてしまったヒロムへ平田が手刀を発射するが、ヒロムはこれをカマイタチの如き切れ味の居合抜き手刀で切り返す。DDTの世界観にズブリと足を踏み込んだヒロムはサングラスを装着して平田と『TOKYO GO』のダンス競演。2人が踊り切ったことで勝敗を付けることが可能となり、ヒロムがヒロムちゃんボンバーからコーナーデスバレーボム。さらにTIME BOMBを狙うが、自ら技を解除し「平田さん、ありがとよ!」とフィッシャーマンズ・スープレックス・ホールドで3カウント。12年前にヒロムが平田からプロ初勝利を挙げた技で死闘に終止符を打った。

ヒロムはIWGPジュニアヘビー級王座のベルトを抱きながら大の字になるが、レフェリーはこれを「IWGPジュニアのベルトがヒロムをフォールしている」と判断し3カウントを叩く。これにより、IWGPジュニアのベルトがアイアンマンのベルトを戴冠。事態を飲み込めないで呆然とするヒロムに対し、平田は即座にIWGPジュニアのベルトをフォール。IWGPジュニアのベルトに勝利した平田がアイアンマンのベルトを奪還した。

平田は「あなたとまた、このDDTのリングで夢の続きが出来たこと、僕は本当に嬉しいです。僕も僕なりに変な角度でプロレス界を盛り上げます。あなたはちょっと変だけども、ストロングスタイル、IWGPジュニアヘビーを極めて、どうかまたすんげぇ最多防衛記録お願いします!またもっとでっかくなって一緒に楽しいことやりましょう!今日はありがとうございました!」と叫び、ヒロムとガッチリ握手……したかと思われたがヒロムがスクールボーイで王座再奪取を狙う。慌ててキックアウトした平田は脱兎のごとく走り去った。

大歓声を受けて退場していくヒロムだったが、突然男色ディーノが襲撃しヒロムの唇を奪ってしまう。ヒロムはリップロックで固められたまま花道の奥まで連れ去られていった。なお、ヒロムは練習生時代の2009年、SUPER J-CUPに参戦していたディーノにファーストキスを奪われてしまったというつらい過去があり、当時は「ナメクジみたいでした……」とファーストキスの感想を語っていたという。

そのままコメントブースまで連行されてきたヒロムは、「13年ぶりだな、あのナメクジみたいな感触……なんか懐かしい」と初恋の味に浸る。その後、ヒロムは心なしかオネエ口調が混ざりつつ「スタイルはお互いかなり変わったけど、プロレスを、そしてジュニアを盛り上げようって気持ちはお互い何も変わってないですね」コメント。そして、平田に関しては「もう無いんだろうな。『またどこかで』『今度はタッグ組みましょう』とかよくあるじゃないですか。でも、多分無いと思います。2度と会わない可能性もあります」としつつも、「月間若手通信、NEVER……石井慧介選手には勝てなかった。3回くらいシングルやったのかな?俺は未だに引きずってるんですよ」と、またDDT系列のリングに上がる可能性をほのめかした。ヒロムがコメントを終えたタイミングでディーノが再び襲撃。ヒロムは平田のコメント中にも乱入してディーノとの追いかけっこを続けるなど、すっかりDDT世界の住人となっていた。

バトルニュース2023-11-13
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