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全国ネット特別番組『FM FESTIVAL』。11月3日に『FM FESTIVAL 2023 サザンオールスターズ デビュー45周年!「サザンとわたし」スペシャル』が放送されました。中略 番組では、進行の住吉美紀が桑田佳祐さんにロングインタビューを実施。ここでは、自身の作詞・作曲方法を明かし、その裏側に隠された思いを語ってくれました。
番組では、リスナーからの「天から降りてきた曲と、絞り出した曲では、どちらが多いですか?」という質問に答える場面もありました。

桑田:こう見えても七転八倒しているんですよね。天から降りてこないですよ。
中略
住吉:メロディーがふっと浮かぶのでしょうか?

桑田:極端な話になって申し訳ないんだけど、新しい曲なんてないと思うんですよね。だいたいがデジャヴというか。降りてくるとしたら、たぶんそれは過去に誰かが作ったものの断片なんじゃないかなと思います。

歌詞もそうだけど、世の中に、(自分が)最初に作ったメロディーなんてないんじゃないのっていうか。“ありものの組み合わせの妙が面白い”っていうのが、ポップスなのかなって気がします。

住吉:たくさんの断片を組み合わせて、素敵だと思える曲を作れていることがすごいと思います。

桑田:メロディーだけが浮かぶことはなくて、そこにプラスして弦が鳴っている(ようなイメージだったり)。譜面をササッと書けたらいいなって思うことはありますよ。書けないからICレコーダーに吹き込むんだけど、失敗することがよくあります。

住吉:譜面で書かないからこそ、染みこむポップスが生まれてくるのかもと思いました。

桑田:だから、僕は音楽家ではなくて、音楽屋だと思うんですよね。僕の場合、例えばベートーヴェンやモーツァルトのように、「自分が思ったことを紙に書いたから、この通りに演奏してね」っていうことができないんですよ。

吹き込んだ断片をスタジオに持っていくところから始まる。コード進行ぐらいはあるけど、「テンションは原坊(原由子)に考えてもらおうかな」と考える。そのように、いろいろなトライ&エラーを繰り返すしかないんです。

◆生まれた音から歌詞を紡いでいく

ーサザンオールスターズの楽曲は、特徴的な歌詞も魅力の1つです。聴く人の気を引くフレーズは、どうやって思いつくのでしょうか?

住吉:歌詞は、机に向かって書くより、口ずさんで浮かぶことが多いのでしょうか?

桑田:半分ぐらい机に座っているかな。あとは、「仮歌」といって、歌詞がない状態の曲があるんですね。そういうときに、急に「わっきゃない(What can I)」という言葉とかが出てくるんです(笑)。そこから「“わっきゃない”って何だろう?」と考えて、「“ワケはない”か」と思い、そこで軽く七転八倒するんです。その言葉を歌いたかったわけではないんだけど、そこに転がっていくことがあるので。だから、実は「こういうテーマで作ろう」っていうのはないんですよね。

住吉:サウンドやインスピレーションが浮かんで、そこから広がっていくんですね。

桑田:そう。英語圏の音楽を、日本語でやろうとするときの“ねじれ”があるんだと思います。

住吉:桑田さんは日本語についてどう思いますか?

桑田:日本語ならではのエモーション、情念みたいなものが出やすいと思います。それこそ、なかにし礼さんが作詞した楽曲「恋の奴隷」は、今だとありえないような曲ですからね。だけど、道徳と不道徳が歌のなかで相まみえるのは、すごくいい世界だなと思うんです。

ーさらに、桑田さんが作詞をするときは、さまざまなところからインスピレーションを得ていると言います。

桑田:自分が歌詞を作っているときは、昔は「愛だ」「恋だ」でよかったんだけど、今は“美しさの表現のようなものを、ほかの言葉を使ってスクリーンに映すように書けないかな?”と考えます。

あとは、日本の文学とか、小説に対するコンプレックスの裏返しでもあるんですけどね。英語に対するコンプレックスもあるし。あと、さっき「わっきゃない」という言葉がでてきたけど、僕の楽曲「Soulコブラツイスト~魂の悶絶」の歌詞で「幸せになれるわっきゃない(ワケはない)のに」ってところは、失礼かもしれませんが僕なりのイメージで、筒美京平さんが曲を作って、阿久悠さんが詞を作ったっていう仮想なんです。

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