旧ジャニーズ事務所が大混乱に陥っている――。

11月中に設立される旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の新エージェント会社社長にコンサルティング会社「スピーディ」の福田淳社長の名前が取りざたされている。

当初はSMILE社の社長である東山紀之が兼任する予定だったが、

「ガバナンスの面で問題あり」

と指摘され、断念。代わりに女優のんを“復活”させた福田氏に白羽の矢が立てられたのだが、ジャニーズ内では「誰それ?」状態なのだという。舞台裏を知る関係者の話。

「福田氏に社長の打診がいったのはつい最近のこと。ジャニーズ内では報道で福田氏の名前を初めて聞いた人も多く『誰?』『どういう人?』と大騒ぎになりました。

タレントたちには東山さんの新社長辞退は伝わっていましたが、福田氏の就任は初耳。連絡の遅さから事務所に対して不信感を持つ人もいるようです」

福田氏サイドはまだ旧ジャニーズ側からの社長オファーを承諾したかどうかについては言葉を濁している。同関係者によれば

「福田氏側が弁護士を通じて旧ジャニーズ側にオファーを受ける際の細かな条件を提示しているそうです。それをのめない場合は白紙になると思います」

という。

どのような条件を提示しているかは不明だが、福田氏のこれまでの歩みを考えると、芸能界の古いしきたりを打破するスタイルとなるはずだ。

福田氏は外国映画事業などを手がける東北新社でキャリアをスタート。そこからソニー・ピクチャーズ エンタテインメントを経て、社内起業したソニー・デジタルエンタテインメント・サービスの社長を務めた。’17年に「スピーディ」を設立し、ブランドコンサルタントとして活動。アートギャラリーの運営、出版業なども手掛ける。

「アメリカのショービズ界にも精通している。かねてより『日本の芸能界は古い』という考えで、バーター出演の横行、大手プロダクションのキャスティング権の乱用について『日本のエンタメをダメにする』と主張していた。

旧ジャニーズ事務所はまさにその2つを利用してのし上がってきただけに、福田氏の考えを受け入れれば、過去を否定することにもなりかねない。『ジャニーズがジャニーズでなくなる』と言う人もいる」(テレビ局関係者)

例えば、のんにしても所属事務所「レプロエンタテインメント」との間で独立トラブルを起こし、以後、地上波テレビの露出は激減した。福田氏はテレビに捉われず、芸能界の力学が働かない外資系企業や舞台、ネット系番組でブランディングを積み重ねてきた。

「大手代理店を通さず、直で仕事を取ってくることも多かった。気付けば、のんはテレビから干されても露出があり、収入も激増。福田氏にはそうしたノウハウがある」(福田氏を知る人物)

ただし、今回は人気アイドルを多数抱える旧ジャニーズだ。人目に触れてナンボだけに、“露出は減ったけど稼いでいる”ではファンは納得しない可能性がある。

中堅芸能プロ幹部からは

「やはりファンが見たいのは、コンサートやテレビ番組で今まで通り活躍する姿です。会員制だったり、課金制のサービスに組み込むのはどうなのか」

という声も聞こえる。

旧ジャニーズ事務所では嵐の二宮和也が先日退所し独立。元V6・岡田准一も11月いっぱいで退所することを発表している。

「新会社は脱ジャニーズを標榜するだけに、不安を感じているタレントも多い。そうした空気感を察知した他のプロダクションは水面下で『ウチに来ない?』と勧誘合戦を繰り広げていますよ。ジャニーズ屈指の人気タレントはこのところ大手プロダクションの社長と積極的にコミュニケーションを取っていますしね」(スポーツ紙記者)

ジャニーズ色のない新社長就任が“終わりの始まり”になるかもしれない――。

https://friday.kodansha.co.jp/article/341275