来年1月2、3日に開催される第100回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)に出場する立大の次期監督の行方が、陸上関係者の間で大きな話題となっている。前回大会で立大を史上最長となる55年ぶりの出場に導いた上野裕一郎前監督(38)は、女子部員との不適切な交際などを理由に、先月11日付で解任。マイナスイメージのなか、意外にも後任のイスは激戦必至の〝モテモテ状態〟だという。その理由とは――。

立大が激震に揺れたのは先月11日のことだった。上野前監督と女子部員との不倫疑惑が発覚。第100回箱根駅伝予選会の直前だったものの、立大側は「指導者として不適切」と判断し、解任に踏み切った。上野前監督は「日本一速い監督」の名のもと、現役選手としても活躍していた。

ところが、不倫疑惑が公となって以降は出場予定だったレースを相次いで欠場。上野前監督をよく知る関係者は「もう陸上の世界に戻れないんじゃないかな」と厳しい口調で語った。

今回の不倫騒動で一番の被害者は、もちろん立大の選手たちだ。選手から「正直眠れない夜もあった」との声も上がっていたが、予選会では原田昭夫総監督が代理監督としてチームをけん引。見事6位に入り、2年連続29度目となる箱根路への切符を勝ち取った。

最悪の事態を免れたが、立大の次期監督は現段階で発表されていない。陸上関係者が「次の監督は誰なのかな?」とささやく中、ある大学の指導者は「立大の監督なんて、やれるならみんなやりたいくらいだよ」と声を大にした。

多くの指導者が望むほどの人気とは、一体どういうことか。同指導者は「立大はMARCH(明大、青学大、立大、中大、法大)の一角だし、やっぱりブランド力がある」と指摘。その上で「立大だからこそ、強豪校から有望な選手を集めることができる。例えば昔から有名だった上野さんでも、別の大学の監督になったとして、立大と同じレベルの選手が集まるかと言われたら、そんなことはない」と、大学の知名度の高さがもたらす莫大なメリットを口にした。

実際に第100回箱根駅伝は、MARCHの5校が全て出場する。大学全入時代を迎え、より学歴を重視する動きが加速。将来を見据え、ブランド力の高い大学で競技を続けたいと考える傾向が年々強まっているのだ。

選手を集めやすい立大の監督は、多くの指導者にとって魅力あるポジションというわけ。思わぬ不祥事でぽっかり開いた指揮官の座。果たして誰が射止めることになるのだろうか。

東スポWEB
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2023年11月3日 05:00