ジャニーズ記者会見の対応方針は「日本的株主総会対応」と似ていた

「日本的株主総会対策」のような考え方は、今回、ジャニーズ事務所という企業が置かれている状況からすると、この事案にはなじまないものだった。本来の株主総会以上に、許されることのない重大な不祥事が発覚した企業としてのコミュニケーションの姿勢が強く求められていた。
1回目の会見の時点で打ち出した方針が社会に全く受け入れられなかったからこそ、大きく方針を変えたのである。2回目の記者会見では、ジャニーズ事務所として性加害問題の重大性についての認識が不十分であったことを認め、批判非難をとことん出させ、それへの応答をし尽くすことが重要だった。しかし、実際の2回目の会見での対応は、それとは異なったものだった。
事前に作成され、会見時に司会者・運営スタッフ等が所持していたことが明らかになっている「指名候補記者・指名NG記者リスト」が、記者会見の場で、批判的・追及的な参加者の指名を避けて、ジャニーズ事務所側への批判が大きくならないようにしようとする意図で作成されたことは明らかだ。

ジャニーズ事務所・会見、“危機対応”において「不祥事」が発生した原因とは
郷原総合コンプライアンス法律事務所 代表弁護士

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/997178f114599a30dcd38203b77395b293d9aeb9