東スポ 10/10
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/279088

故ジャニー喜多川氏の性被害者でつくる「ジャニーズ性加害問題当事者の会」に対する誹謗中傷が過激化している。同会の平本淳也代表は刑事告訴するため、警察や弁護士などに提出する証拠書類作りをNPO法人「ビリオンビー」と準備中。だが、他のメンバーには正体不明の小包が届くなど不穏な空気が漂っている。不測の事態もありうることから、今後会見を控える方針だという。

これまで当事者の会は事あるごとに会見を行ってきたが、最近はその機会もめっきり減っている。理由は、会見を開催すると誹謗中傷が増えるからだ。

当事者の会のあるメンバーは「誹謗中傷のメールや電話は、複数人のメンバーの自宅だけではなく、勤務先にも寄せられていて、会見をやると増えるんです。こういった理由から会見は行っていません」と明かした。

同会のホームページも変更を余儀なくされている。以前はジャニー氏から性加害を受けたメンバーが顔写真付きのプロフィルで紹介されていたが、9月末で削除。また、他の写真もメンバーが写っていないものに変更された。これらの対応も誹謗中傷があるからにほかならない。

「ただでさえ、性被害で苦しんでいるのに『お前が告発したからジャニーズが崩壊した』などと心ない言葉を浴びせられてしまう。メンバーも精神的に追い詰められてしまうのです」(同)

もちろん、同会も手をこまねいているわけではない。平本氏は、自身に対するネット上の誹謗中傷を刑事告訴するため、現在NPO法人「ビリオンビー」と準備している。

同NPO法人は18年間の活動で得た情報やスキルをもとに、誹謗中傷された人のヒアリングを実施。ユーチューブ、X(旧ツイッター)、ネット掲示板などを調査し、監視、記録を行う。弁護士や警察の判断をもとに、どこがどのような罪に該当するのかを明確化。提携しているIT会社、調査会社、探偵事務所などと情報を共有し、協力体制を整え、早期解決を目指している。誹謗中傷の相手に注意喚起の通達をすると9割は止まるという。

代表の森山海史氏は「10月3日時点で457件の情報が寄せられています。平本さんに関しては、1日300件投稿されている時もありましたが、通達を行った後は減少しました。IT会社やフリーランスで活動している人たちとも連携してチェックを行っています」と話す。

書き込んだ人やサイト運営者、場合によっては当事者ではないサイト観覧者にも、作成した報告書で注意喚起を行っている。その際、似たような過去の誹謗中傷に関する判例を自動的に記載し、正しい情報、知識を提供。これにより、誹謗中傷についてきちんと勉強する機会を持ってもらうことができる。

だが、すべてに対応するのは難しい。ここにきて不穏な空気も漂っているという。当事者の会関係者の証言。

「実は、あるメンバーの自宅に中身のわからない小包が届いたんです。現在、当局と相談しています。もともと当事者の会は任意団体で、有志が集まり結成されたもの。会見を行うと、ガードマンを雇う費用もバカにはなりません。とりあえず、東山紀之社長、藤島ジュリー景子氏からの謝罪もあったし、今のところ会見を行わないことになっています」

誹謗中傷は当事者の会メンバーをさらに追い詰めている。