10/9(月) 7:30配信

サンケイスポーツ
大会が終了。(右から)石川、高橋藍は連日超満員となったスタンドに手を振った(撮影・長尾みなみ)

FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023男子(8日、日本2-3米国、東京・国立代々木競技場第一体育館)日本は今季ネーションズリーグ準優勝の米国にフルセットで競り負け、2位で終わった。7連勝の米国が1位。日米とも控え選手中心の先発となる中、日本は大塚達宣(22)=パナソニック=や甲斐優斗(20)=専大=らが活躍し第2、3セットを連取。しかし相手の高いブロックにつかまり第4、5セットを落とした。スロベニアがセルビアをストレートで下して3位。セルビアは5位。チュニジアにストレート勝ちしたトルコが4位。フィンランドがエジプトをフルセットで下して6位。エジプトが7位、全敗のチュニジアが8位だった。

【写真】フジテレビ「サザエさん」に登場した髙橋藍、西田有志、石川祐希、サザエさん

五輪出場権獲得から一夜明けた最終日。1万660人の大観衆の前で、若手主体の日本が世界ランク2位の米国を相手に躍動した。

「今日は最初からパリ(五輪選考)へのサバイバルと思い、できることを全部出そうと思っていた。自分の役割をやり切るのが目標で、それを試合の中でやれたのはいい経験だった」

今大会初先発の大塚は宮浦に次ぎ、チーム2位の17得点。フルセットの末に敗れたが、納得の表情だった。

前日7日、スロベニアにストレート勝ちし、2位以上が確定。パリ五輪出場が決まった。今大会の目標を達成した。「(今大会で)勝ち切り、新たな自信もついた。またステージが一つ上がった」という主将の石川は「パリではメダルを狙う」と宣言した。

強豪12チームが集うパリ五輪に向け、全体の底上げは欠かせない。その第一歩としての米国戦。ブラン監督は「これまでプレーする機会がなかった選手に大観客の前でプレーさせたい」と積極的に若手を起用した。代表の練習で先発メンバーと6対6で戦っている大塚は「いつも、あっち(先発チーム)を驚かせようぜと話してやっている。今日もそのつもりだった」と期待に応えた。

これまで出番はリリーフサーバーやワンポイントブロッカーだけだった最年少の20歳、甲斐も途中からコートへ。スパイク3得点、サービスエース1本と結果を残した。「大観客の前で自分のバレーを出せた。今後生かしていきたい」と笑顔を見せた。

五輪のメンバーは12人と、今回から2人減る。さらに厳しくなる代表争いは、日本のチーム力向上につながる。今後、ブラン監督は各国リーグを視察し、イタリア1部リーグでプレーする石川(ミラノ)と高橋藍(モンツァ)の試合もチェックする予定だ。

「適切なタイミングで適切な決断をするバレーの流れを理解するのは、クラブでも代表でも変わらない」と指揮官は選手に個々の成長を求めた。来年、再び集まったときにどれほど進化しているか。それぞれの努力が問われる。(只木信昭)

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