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9/30(土) 7:00

 中国・杭州市で開催されているアジア競技大会は、アジア版五輪とも呼ばれる総合競技大会だ。陸上競技や水泳競技、サッカー、バスケットボールなど五輪同様に様々な競技が同時に行われている。五輪と違うのは、参加地域がアジアに限定されるだけではなく、五輪では採用されていない競技や種目があるのも特徴だ。その一つに「カバディ」がある。

 90年の正式競技採用以来、競技発祥国のインドが無敵を誇って来たが、前回2018年ジャカルタ大会で韓国に敗れる波乱があり、イランが初優勝。現状、インドとイランが2強を形成している。過去の大会では、パキスタンやバングラデシュ、スリランカといったインドの隣国が上位に入っており、南インド勢が強い。世界選手権の開催が非定期のため、アジア競技大会は、カバディ界最高峰の栄誉を誇る。

 日本は、2010年広州大会で銅メダルを獲得。ほかに3度、3位決定戦に進出しており強国の一角に食い込もうとする存在だったが、14年仁川大会では全敗を喫した。以降の日本代表は、国内環境の変化を受けて生まれ変わろうとしている。

 仏教系でインドとのつながりが強い大正大学に発足したカバディ部および、そのOB選手がほとんどだったのが14年以前。その後、2011年に埼玉県の自由の森学園中学・高校に発足したカバディ部でジュニア年代期から競技を経験してきた選手が台頭。前回18年ジャカルタ大会は、グループリーグで敗退したが、自由の森学園OBが主戦力として加わっていた。

 さらに、現在は人気漫画「灼熱カバディ」の影響で競技を始める若者が増えており、3世代が結集したチームが現在の日本代表と言える。次回2026年のアジア競技大会は、愛知・名古屋での開催。この大会を日本でカバディを広めるきっかけとすべく、少しでも注目度を上げていきたいところ。13年ぶりのメダル獲得を目指す今大会は、インド、バングラデシュ、台湾、タイと同組。10月2日の初戦でバングラデシュとの対戦からスタートし、準決勝進出を目指す。