7月期ドラマが次々と最終回を迎える中、15日に『トリリオンゲーム』(TBS系)も終了。最終回となる第10話の視聴率は5.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。全話平均視聴率は5.5%となり、TBS金曜10時枠で、これまで最低だった『神の舌を持つ男』の5.6%をわずかに下回り、ワースト記録を更新してしまった。

「原作は『ビッグコミックスペリオール』に現在連載中で、コミックも累計150万部を突破した人気作。これに加えて『silent』(フジテレビ系)で注目された目黒蓮が主演ということで、前評判では視聴率2桁に届くのでは、とさえ言われていました。作品自体が酷評されているわけではなく、裏番組のジブリやバスケットボールW杯に負けたのだという声もあります。しかし、主演の目黒蓮の演技に対しては、かなり賛否が分かれました」(テレビ誌ライター)

『トリリオンゲーム』は、目的のためなら犯罪スレスレのことも厭わないワガママ男・ハルと、気弱なオタクだがパソコンの腕は一流のガクという正反対の2人がバディとなって起業し、ゼロから1兆ドル(トリリオンダラー)を稼いで成り上がっていくストーリーだ。目黒はハルを演じており、『Snow Man』が歌う主題歌『Dangerholic』は87万枚を売り上げる大ヒットとなっているのだが、《役が似合っていない》、《演技が下手すぎる》との声が上がっているという。

「目黒は代表作となっている『silent』では聴力を失って言葉を発することをやめてしまった青年を演じました。さらに朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)では、クールなエリートパイロット候補生、3月に初めて単独主演して興行収入27億円の大ヒットとなった映画『わたしの幸せな結婚』では冷酷な陸軍隊長など、どちらかというとクールで言葉数の少ない役が多かった。今回のハルは陽キャでハイテンションという真逆のキャラクターなんです。

さらにコミック原作独特のセリフ回しだったり、オーバーアクションなところにもどこか違和感を持つのかもしれません。実際、原作を読んでいる人たちからは《再現度が高い》と高評価する声が多い。でも、個人的にはやっぱりどこか無理している感じは否めないですね(笑)」(同前)

やはり『silent』での寡黙な目黒のイメージを持つ人には、ちょっと受け入れがたいイメージだったのかもしれない。だが、そのように目黒にクールで寡黙なイメージがついてしまって、演技をする際に役の幅が狭くなってしまうことが、必ずしも彼にとってマイナスではないという意見もあるのだ。

「大スターであるキムタクでさえ、長年の間『何を演じてもキムタク』と言われてきました。彼と同じように、目黒も役者である前にトップアイドルであり、バラエティや音楽など、演技以外のフィールドでも輝き続ける必要がある。ドラマや映画の現場で彼に求められるのは、高い演技力よりも存在感なんです」(制作会社関係者)

果たして目黒はキムタクのような王道のスターを目指すのか。それとも草彅剛や森田剛、岡田准一など「本当に演技が上手い」といわれるジャニーズ出身俳優を目指すのか。21日に出演したテレビ番組で、目黒は役作りのために伸ばしていた襟足を切った姿で登場していた。次回作が注目されている。

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