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内川聖一が現役引退 22年間のNPBでは右打者史上最高打率マーク 今季は地元大分でプレー


 横浜(現DeNA)、ソフトバンク、ヤクルトと3球団を渡り歩き、今季はヤマエグループ九州アジアリーグの大分B―リングスでプレーした内川聖一内野手(41)が現役引退を決断したことが20日、分かった。21日にも正式発表される。23、24日には同球団の今季最終戦(対北九州、熊本)が地元大分(臼杵市)で予定されており、現役選手としての最後の勇姿となる。

 希代のヒットマンがバットを置く意思を固めた。大分市出身の内川は、大分工高から2000年のドラフト会議で横浜から1位指名され入団。2008年に自身初タイトルとなる首位打者を獲得した。同年に記録した打率3割7分8厘は、現在もNPBの右打者史上最高打率として残る。

 NPBでは22年間の現役生活で歴代22位の通算2186安打を記録。その卓越した打撃技術を礎に「最後はプロの世界で身につけたこと、学んだことを、野球を通じて地元に届けたい」と、今季は地元大分を本拠地とする独立リーグの「大分―Bリングス」でプレーした。

 活動期間は1年と短かったが、地元球団のために心血を注いだ。野球評論家活動などと並行してのプレーとなるため、入団当初は主に主催試合での出場を予定していたが、時間の許す限りチームの遠征にも同行。20歳以上も年の離れた若い選手に交じって汗を流した。

 もちろん、選手としてだけではなく、時にはノッカーやトス上げ役、打撃や守備指導など多岐にわたってチームを支えた。また、少年野球教室や清掃活動にも参加するなど、地元球団に寄り添い、知名度アップにも努めた。

 その上で、最もこだわった選手としてここまで40試合に出場し、打率3割5分6厘(146打数52安打)、2本塁打、35打点と格の違いを見せつけるなど、超一流の打撃技術を遺憾なく発揮してリーグ全体のレベルアップにも貢献した。

 「まだまだ野球が好きという気持ちがあるし、生まれ育った地で現役を終えたい。おなかがいっぱいになるまで野球をやりたい。また、若い選手が多いリーグなので、自分がNPBを目指すきっかけ、基準となれるように頑張らなきゃという気持ちでいっぱいです」

 地元大分での再出発が決まった際、内川は新たな抱負を熱い思いとともに口にしていたが、チームの〝広告塔〟としての役目も十分に果たしながら完全燃焼しきったようだ。

 今後については現時点で未定だが、プロ・アマ問わず、野球を通じて恩返ししていく意向を持つとともに、幅広い分野で活動していく予定だ。