プロ野球中日の立浪和義監督(54)の周囲が騒がしい。2年目の今季は8月22日時点で大差の最下位に沈み、過去には本人が「契約は3年」と明言したこともあり、来季には進退が懸かるはずだが、どうにも危機感が漂ってこない。

 その陰で、チーム内で囁かれている「立浪監督の契約が3年ではなく、実は5年ではないか」という噂が真実味を増している。試合での采配を見てもトレードなどの補強策を見ても、来年すぐに結果を出すというよりも、長期契約を前提に数年後に向けて動いているとしか思えないという声がコーチ、選手から相次いでいるのだ。

 その真偽を探ると――。

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「3年で結果を出せなければ、すぱっと辞める」に疑いの目
 2021年オフに立浪監督が就任した時、記者会見で契約年数を聞かれた吉川克也球団社長は、「ここではお答えできない。複数年と言っておく」と言葉を濁した。一方で立浪監督本人は、昨オフに出演したラジオ番組で3年契約と明かしている。

 さる中日OBがこう証言する。

「監督は側近のコーチには自身の契約は3年と伝えていて、『3年で結果を出せなければ、すぱっと辞める』とも言っているんですが、それを疑う人も多いんです」

「契約が3年ではない疑惑」は、実は昨オフから浮上していた。ドラフト会議で立浪監督の肝煎りとはいえ村松開人や田中幹也らの内野手中心に指名し、京田陽太(現DeNA)や阿部寿樹(現楽天)ら主力内野手をトレードで放出したのだ。

「内野は(昨季ショートを守った)龍空が一本立ちする保証がない中で、未知数の選手ばかりになった。その龍空も今年は打率が2割をギリギリ超える程度で、期待に応えているとは言えない状態です。獲得した新人たちは立浪監督の肝煎りで確かに有望ですが、一人前に成長するには時間が必要。世代交代は大切ですが、すぐに結果を出す必要がある監督の判断とは思えません」(同前)

 立浪監督は補強だけではなく采配面でも、若手の育成に偏った作戦が目につく。

「お気に入りの石川(昂弥)ら一部の若手は出場機会が約束されているような状態で、堂上(直倫)らベテランは腐り気味。それで若手が伸びていればいいのですが、競争原理が働いておらずポジションを奪われる危機感も薄いのが現状。監督は本当に後がないつもりで来季に臨むんでしょうか。悠長な長期計画でチームづくりをしているように見えるんです」(同前)

 立浪監督のオフに向けた動きにも“悠長さ”はうかがえる。複数のチーム関係者によれば、ここに来て立浪監督は大島宇一郎オーナーと会食を重ね、PL学園高の先輩である清原和博氏の招聘を直訴していたという。

 かねてから立浪監督は清原氏を本拠地バンテリンドームナゴヤでの始球式に招いたり、地元放送局での解説者の仕事を斡旋したりと、清原氏が再び球界で活動できるよう世話を焼いてきた。ただ清原氏には覚醒剤取締法違反で有罪判決を受けた過去もあり、さすがに入閣までは考えていないだろうとの見方もあったが、どうやら立浪監督は本気のようだ。

清原氏のコーチ契約が単年とは考えづらい

 古参の球団関係者が語る。

「大島オーナーは否定も肯定もせず、黙って監督の話を聞いていたそうだ。ただ清原氏の招聘は中日にとって難しい選択になる。セカンドチャンスを与えるという意義はあるものの、選手たちがすんなりと指導を受けられるかどうかは未知数です。名古屋での仕事の際に一緒に食事に行ったことがある選手もいるが、コーチとして接するとなると別問題。仮に親会社がスタッフ入りを許したとしても、打撃コーチなどの要職は難しいだろう。キャンプでの臨時コーチなどから始め、巡回コーチや特命コーチなど、起用では実権を持たない肩書にとどめるのではないか」

 そして、立浪監督が清原氏を単年契約で呼ぶとは考えづらい。自分がその後も監督でいられる複数年契約の保証があるからこその「清原氏招聘の直訴」ではないかと見る向きは多い。

 さらに、昨季まで阪神でヘッドコーチを務めた井上一樹氏にも入閣の噂があり、そうなれば立浪監督の長期政権は決定的だという。

「(中日での)現役時代から2人は気心が知れている。昨オフにも中日復帰の話は出ていたが、阪神を退団した直後の移籍は一樹としても体裁が悪かった。もしコーチ陣に入ってくるとすれば、1年契約はあり得ない。最低でも2年となると、立浪監督に4年目以降の契約があることを意味する」(同前)

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https://bunshun.jp/articles/-/65145