前代未聞の珍事が発生した。19日の新潟3R新馬戦(ダート1800メートル)に出走を予定していたエンブレムボム(牡2歳、栗東・森秀)が、同じ厩舎の外国産馬との取り違えが判明したため、競走除外となった。

 エンブレムボムと思われたのはエコロネオ(牡2歳)。2頭は米国のOBSマーチセールで購入され、7月28日に栗東へ入厩。今月2日に森秀師立ち会いのもと、ゲート試験に合格した。ここまでは2頭をきっちり判別できていたが、5日の栗東坂路での調教の際、互いのゼッケンを間違えて装着してしまい、そのままエンブレムボムはエコロネオに、エコロネオはエンブレムボムとして調教を継続。レースへのエントリーの際も、2頭を錯誤したまま投票してしまったという。

 2頭が入れ替わったことが発覚したのはレース当日の午前10時25分ごろ。埋め込まれたマイクロチップと馬体の特徴による照合により明らかとなった。森秀師は過怠金として最高額となる50万円を科せられた。

 庄村之伸裁決委員は「放牧に出ている馬と在厩している馬が違うこと、誤った調教時計など、至急データの修正対応をしないといけません」と話した。なお、“本物のエンブレムボム”は12日にエコロネオ名義で放牧に出ている。

 森秀師は「担当制でなく、1頭の馬に携わるスタッフが日ごとに変わることが、取り違いに気付かなかった要因ではないか」と説明しているという。また、同師は3~11日まで米国に出張しており、それも発覚が遅れた理由の一つと思われる。

 提供:デイリースポーツ

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