違法薬物問題に揺れる日本大学アメリカンフットボール部に厳しい目が注がれる中、アメフト関係者から〝廃部反対〟の声も上がっている。

 日大は10日、部員の逮捕を受けて5日に同部へ科していた無期限活動停止処分を、逮捕された部員1人を除き解除したと発表した。理由について「個人の問題を部全体に連帯責任として負わせることは、競技に真剣に取り組んできた多くの学生の努力を無に帰することになり、学生の成長を第一に願う教育機関として最善の措置ではないと判断したため」と説明。しかしわずか5日での処分解除に「廃部でしょ」とネット上では非難の嵐となっている。

 一方で、アメフトの現場からは世間とは逆の意見も出ている。あるアメフト関係者は日大アメフト部について「(家庭の事情で)経済力のない学生が、特待生で入る場合がある。授業料が免除になり、(部員が多く在籍する)文理学部のキャンパスでご飯も無料で食べられる」と、競技面以外でのメリットも大きいと明かす。

 しかし廃部となれば、特待生制度に頼ることができなくなる可能性がある。同関係者は「廃部となればまず寮から追い出される。実家から大学に通うとしても定期代がかかるし、東京に1人で住んで家賃を払うお金もない学生もいるだろう」と指摘。連帯責任で真面目にアメフトに打ち込んでいた学生が路頭に迷うケースが出るとあって「そうした学生が、大学を辞める状況は阻止しなければならない」と廃部反対を訴えた。

 とはいえ、世間の理解を得られなければ、部員に対する風当たりは変わらぬまま。林真理子理事長(69)ら大学側の手腕が問われそうだ。

https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/272899
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