元イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンが現役引退を決断した模様だ。イタリアメディア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』を筆頭に各メディアが一斉に報じている。

 ブッフォンは45歳となった現在もパルマ・カルチョの正守護神として活躍しており、2022-23シーズンは前半戦こそ負傷の影響で欠場した試合も少なくなかったが、最終的には19試合でゴールマウスを守った。パルマ・カルチョの4位フィニッシュに貢献し、セリエA昇格まであとわずかのところまで迫った。このようなシーズンを終えたブッフォンの元には、今夏のマーケットでサウジアラビアの複数クラブからオファーが届いており、新シーズンに向けた去就にも注目が集まっていた。

 だが、ブッフォンは2022-23シーズンを最後にピッチを離れることを決めたという。パルマ・カルチョとの現行契約は2024年6月30日まで残っていたものの、クラブ側はブッフォンの意思を尊重し、早期の契約解消で合意。近日中に発表されることが予想されている。

 ブッフォンは1978年1月28日生まれの現在45歳。パルマ・カルチョのユース出身で、1995-96シーズンのセリエA第10節ミラン戦で17歳にしてトップチームデビューを飾った。その後はパルマ・カルチョに欠かせない守護神に成長。2001年夏には当時のGK史上最高額の移籍金でユヴェントスに加入した。ユヴェントスでは“カルチョ・スキャンダル”の影響でセリエB降格を強いられた時期にも残留し、17シーズンもの間クラブの“顔”として活躍した。その後はパリ・サンジェルマンへ移籍したものの、わずか1年でユヴェントス復帰を決断。復帰後の2シーズンはポーランド代表GKヴォイチェフ・シュチェスニーのバックアッパーという立場に甘んじたものの、ベテランとしてチームを支えた。2021年夏に古巣のパルマ・カルチョに加入。初年度からキャプテンマークを巻いてセリエB26試合に出場するなど、主力の1人としてゴールマウスを守っていた。

 また、パルマ在籍時の1997年10月にはイタリア代表デビューも飾った。1999年からは負傷などのアクシデントを除いてほとんどの期間を正GKとして過ごし、FIFAワールドカップも5大会連続で出場。FIFAワールドカップドイツ2006では全試合でゴールマウスを守り、“アズーリ”(イタリア代表の愛称)を世界の頂点へ導いた。

 セリエA最多出場記録(657試合)、そしてイタリア代表の公式戦最多出場記録(176試合)を誇る鉄人が、2022-23シーズン限りで27年間にもわたる現役生活の幕を降ろすこととなりそうだ。なお、今回の報道によると、ブッフォンは引退後にイタリア代表のコーチングスタッフとなる可能性が高いという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a872f7ad6991cc57ca9ab2e1c1e063659f4ac7d5