18日に脳腫瘍で28歳の若さで亡くなった元阪神・横田慎太郎さんの葬儀・告別式が22日、鹿児島県日置市内で営まれた。阪神のOB会長で、YouTubeで共に活動した川藤幸三氏(74)が弔辞を読み上げ、後輩を送り出した。阪神の百北幸司球団社長(62)、母校・鹿児島実の久保克之名誉監督(85)、宮下正一監督(50)、元阪神の西田直斗氏(30)らが参列。故人に最後の別れを告げた。

 出棺を迎える直前。悲しみを表すかのように空から大粒の雨が落ち始めた。駆けつけたファンは太鼓をたたき、現役時代の横田さんのヒッティングマーチ、六甲おろしを演奏。横田さんは阪神のユニホームを着て、安らかに天国へと旅立った。

 告別式では「奇跡のバックホーム」など生前の横田さんの功績を振り返る映像が流れ、参列した多くの人が涙。弔辞は阪神OB会長・川藤氏が述べた。自身が出演するYouTubeチャンネル「川藤部屋」では、横田さんが現役引退後にプロデューサーを担当。紙が床に何重にも折り重なるほどの文章を連ね、約4分半、ひつぎに眠る横田さんに語りかけた。

 「なんで今ここに立ち、これを読んでいるのか。悔しいな。でもな、死ぬ方がよっぽどもっともっと悔しいよな。無念だよな」

 川藤氏は現役時代の横田さんを回想した。金本氏が監督を務めた初年度の2016年3月25日・中日との開幕戦(京セラ)では「2番・中堅」でスタメン出場。「最近にはないイキのいい純朴な野球少年が出てきたなと思った」と当時抱いた印象を明かした。

 YouTube活動では、野球以外の事でも熱心に取り組む横田さんの姿勢に胸を打たれた。「ワシは雑やのになんでも丁寧に物事をやる慎太郎、会うたびにしっかり仕事をやろうと必死に食らい付いてきたその姿がかわいかった。この老いぼれおやじを、よう面倒見てくれた。本当にありがたい」と感謝を口にした。

 「慎よ、いずれまた会おうな。その時にあの素晴らしいバックホームをワシに見せてくれよ。ゆっくり休めよ-」

 会場の沿道には約100人のファンが見送る。横田さんが、多くの人から愛されていたことを証明する光景が広がっていた。故人を乗せた霊きゅう車に声が飛んだ。「横田、ありがとう!」-。


デイリースポーツ
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