//news.yahoo.co.jp/articles/e060a74d859829ad78ff81fe1f824619d7113a1e?page=2
統計的には、MVP級の活躍をした選手の成績が「後退」するのは自然なことである。それ以上に良くなる理由よりも、悪くなる理由の方が多いからだ。しかし、大谷はMVPを獲得した2021年から成績をむしろ上げてきている。専門家や統計データの予想を裏切る形で。

「3年も続けてMVP級の活躍をするのは、本当に難しいことです」。ZiPSと呼ばれる選手の成績予想システムを考案したことで知られるダン・ジンボースキーは言う。「投打の組み合わせでということになると、もちろん前例すらありませんが、単純にWARだけを見ても、とてつもなくまれなことです」

FanGraphsの計算式に基づくZiPSは、大谷の2023年のWARは8.4になると予想している。その場合、2021年(8.0)と2022年(9.5)と合わせた3年間のWARは25.9となる。

ジンボースキーによると、それと同等以上のWARを3年間で記録した選手はメジャーリーグの歴史で29人しかいない。

打者では、ベーブ・ルース、テッド・ウィリアムズ、ミッキー・マントル、ロジャース・ホーンスビーといった米野球殿堂入りしている15人と、殿堂入り確実と言われるトラウト、そしてバリー・ボンズ、ジョー・ジャクソン、アレックス・ロドリゲスという成績以外の理由で殿堂入りができていない3人が名を連ねる。

投手でも、ボブ・ギブソン、ペドロ・マルティネス、ランディ・ジョンソンなどの殿堂入り選手か、19世紀に年間600イニング(現代野球の3倍)以上投げた選手などに限られる。

「3年続けて大谷のような活躍をしたことがあるのは、ほぼ全員が『史上最高クラス』と評される選手です」とジンボースキー。「大谷がこのまま健康でプレーできれば、殿堂入りしない方がおかしいくらいです」

「現役最高の称号はトラウトから大谷に移った」とジンボースキー。「(2022年のアーロン・ジャッジのように)シーズン単位で見たら、大谷を上回る活躍をする選手はいるかもしれませんが、続けてというのは難しいでしょう」

スポーツメディアThe Athleticが現役選手103人に行った匿名アンケートで、「今チームを新しく始めるとしたら、最初にどの選手と契約するか」という質問に対して、45.6%が「大谷」と回答した。