6/14(水) 8:03配信

 鹿児島読売テレビ(KYT、鹿児島市)が2月に放送した情報番組で、タマネギの糖度の数値を捏造(ねつぞう)していたことが13日、分かった。砂糖水の測定値をタマネギの糖度と偽って放映した。加熱した新タマネギの糖度の計測では、タマネギに水を加えて薄め、数値を低く改ざんした。KYTは不正行為を認めている。放送倫理違反に問われる可能性がある。

 番組は2月24日放送の「かごピタ」。新タマネギを特集で取り上げ、普通のタマネギの甘さと比較した。KYTの説明と南日本新聞の取材によると、普通のタマネギの糖度を測る収録の際、測定器にタマネギを入れずに砂糖水だけで計測。糖度「7.5度」だったとする映像を流した。

 新タマネギの糖度は加熱するとより甘くなるとされる。加熱した新タマネギを測定器にかけたところ30度を超す数値が表示されたため、値が高く出過ぎたと判断。水を加えて、27度に下げた結果を放映した。加熱した新タマネギの糖度は生の新タマネギの「2倍以上」とするテロップを付けた。

 計測はKYTの子会社が担当した。小林暢慎KYT編成局長は13日までの南日本新聞の取材に対し「測定器メーカーが公開しているタマネギの糖度目安に合わせるため、砂糖水だけを使ったようだ。新タマネギの方はインターネットに載っている糖度に近づけようとして水を加えた」と説明。いずれも意図的に操作したことを認めた。

 一連の行為は内部で問題視する声が上がり、発覚した。3月31日の同番組で、普通のタマネギ9.25度、新タマネギ11.0度、加熱した新タマネギは約20度だったとする再計測結果を放映。アナウンサーが「不正確なところがあった。訂正しておわびする」と謝罪したが、理由や手口への言及はなかった。各糖度は専門家の助言を受け、計測し直した値という。

 小林編成局長は「不適切な行為を隠す意図はなく、再計測の数値を伝えるのが第一だと判断した」と話した。

 KYTは従業員に放送倫理に関する映像を見せるなどして再発防止に取り組んでいるとしている。視聴者への再度の説明、検証結果をまとめた番組の放映は予定していない。

 かごピタは県内のグルメや生活情報などを扱い、毎週金曜日午後3時50分から放送されている。

南日本新聞 | 鹿児島
https://news.yahoo.co.jp/articles/64c5351272deadfb1469f6a231a2d60388983946