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2023/06/14(水) 05:57:42.37ID:VBsApYVl9カンヌ映画祭国際グランプリのミュージカル映画
シェルブールの雨傘【坂本朋彦のシネフィル・コラム】
6月15日(木)[BSプレミアム]午後1:00〜2:32
フランス北西部の港町シェルブール。傘屋の娘ジュヌビエーブは自動車修理工のギイと愛し合い、結婚を夢見ています。ところがギイは徴兵でアルジェリアに行ってしまいます。さみしさと悲しみでいっぱいのジュヌビエーブ。そんなとき、宝石商のローランから求婚されます…。
今回ご紹介するのはフランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴが世界的スターとなった傑作です。
パリ生まれのカトリーヌ・ドヌーヴは10代から映画に出演し、本作の撮影当時は19歳。ギイとの恋だけがすべての初々しい少女から、
人生の苦さも知り、大人の女性となるジュヌビエーブを見事に演じきっています。駅でギイと別れるドラマチックな名場面、頬を真っ赤にして涙にくれる表情は、何度見ても見るものの感情を揺さぶります。
切なくも美しいこの作品、一番の特徴はすべてのセリフが“歌”であること。愛を語り合うジュヌビエーブとギイはもちろん、郵便配達も歌いながら傘屋にやってきます。華やかなダンスはなく、日常の暮らしが歌だけで表現されるのです。
それまでになかった斬新な映画を作りあげたのが監督のジャック・ドゥミと音楽のミシェル・ルグラン。1931年生まれのドゥミ監督は少年時代から映画に魅せられ「ローラ」(1961)で長編デビュー。
長編第3作の本作はカンヌ映画祭国際グランプリを受賞し大ヒットとなりました。実際にシェルブール各地でロケが行われましたが、ドゥミ監督はピンクや緑、白といった鮮やかな色を随所に配置し、撮影監督ジャン・ラビエの自在なカメラワークとパステルカラーでリアリティーとファンタジーが共存するユニークな世界を作りあげました。
音楽のミシェル・ルグランは1932年生まれ。ロマンチックで美しいメロディー、抜群のグルーブ感、名曲の数々は“もう一人の主人公”といえるほど大きな役割を果たしています。駅の場面での曲はスタンダードナンバーとなり、日本でもさまざまな歌手がカバーしています。
名コンビのドゥミ監督作をはじめアメリカ映画など国際的に活躍し、アカデミー賞を3回受賞したルグラン。200本以上の映画やドラマの音楽を手がけ、ジャズ・ミュージシャンとしても名アルバムを製作しました。
今年で製作60年を迎えますが、1985年生まれのデイミアン・チャゼル監督が本作にインスパイアされ「ラ・ラ・ランド」(2016)を製作するなど、時代と世代を超えて愛されています。
映画史上、永遠に残るミュージカル。ぜひご覧ください!
プレミアムシネマ「シェルブールの雨傘」
6月15日(木)[BSプレミアム]午後1:00〜2:32
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