J1神戸が25日、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタの退団を正式発表した。神戸市内のホテルで会見を行い、約5年を過ごしたクラブを離れることを決断した胸中を語った。

 イニエスタは2017―18年シーズンでスペイン1部の名門バルセロナを退団。「アジアNO1クラブ」を目標としていた神戸の三木谷浩史会長がスペインまで出向いて交渉した結果、推定年俸約32億5000万円という破格の契約で入団が決まりサッカー界を驚かせた。19年からは主将を務め、20年元日の天皇杯優勝にも貢献。神戸に初のタイトルをもたらし、同年秋に開催されたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)では右太ももを負傷しながらも4強入りへと引っ張った。

 ただ、今季ここまでのリーグ戦出場はわずか3試合で38分間のみ。スタメン起用は1度もない。コンディション不良などで調整が遅れたことに加えて、J2降格危機にあった昨季からチームが戦い方を変えたことが大きい。「バルサ化」を掲げボールポゼッションにこだわるスタイルから、ハイプレスなどハードワークをベースに攻撃では前線のタレントにロングボールを集める戦術に転換した。

 コンセプト変更が奏功し、現在はリーグ首位の座をキープ。一方、チームが好調のなかで出場機会を得られずにいた39歳は、今季いっぱいまで残っていた契約を満了する前に退団を決めた。神戸は6月6日に東京・国立競技場でバルセロナと親善試合を行う予定で、この一戦が最後の試合となる見通しだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/584c1606415057ffd3fe7e770cc36ac785659f5c