歌舞伎俳優・市川猿之助(47)が自殺を図り、両親も亡くなった事件が波紋を広げている。その人柄を慕う芸能人からは突然の出来事に困惑する声が続出。そんな猿之助が人一倍優しさを注いだのが付き人で俳優のXだ。自身が売り込みオファーをかけ、日曜劇場や大河ドラマでの共演を夢に描いていたという。

 18日に意識がもうろうとした状態で自宅で発見され、一時入院していた猿之助。警察は、父の市川段四郎さんと母親が睡眠導入剤など向精神薬を大量に飲んだことによる中毒死の疑いと判断している。事情聴取に猿之助は前日17日に家族会議を行い、両親と「死んで生まれ変わろう」と睡眠薬を飲んだと供述しているという。

「ただ、まだ睡眠導入剤などの薬物も、入っていたと思われる容器も見つかっていない。警視庁が何度も現場検証と家宅捜索を行っているのは、事件の可能性を含めて視野に入れているからです」(捜査関係者)

 殺人事件などを担当する捜査一課が捜査を担当。今後、真相が明らかになると思われるが、交流ある芸能人からは悲痛な声が上がっている。

 21日放送のフジテレビ系「ワイドナショー」では、猿之助と共演経験のあるタレントのウエンツ瑛士が、報道後に多くのタレントから「一緒にいてほしい」「飲みに行きたい」「すごくつらい」と連絡があったことを告白。「本当に猿之助さんが愛されていて、信頼されていた先輩だったり…そういう方なのかなと」と明かせば、同じく共演経験のあるロックバンド・SOPHIAの松岡充も「責任感が人一倍ある方だと思いますし、歌舞伎の新しい道をこじ開けた人でもある方が、なぜ…」と戸惑いを隠せなかった。

 共演者に愛されていた猿之助だが、そんな中でも人一倍優しさを注いでいたのは付き人のような立場でもあった俳優Xだ。猿之助とは、ドラマや舞台で共演経験もあり、事件当日に自宅を訪れた第一発見者≠ニされる。

「猿之助さん自ら『(Xを)出演させてほしい』とテレビ局の関係者に交渉することもあった。猿之助さんのドラマ代表作といえば、TBS系日曜劇場『半沢直樹』や大河ドラマ『鎌倉殿の13人』などがありますが、売れっ子俳優とは言えないXさんと一緒に人気ドラマに出ることを夢として明かしていたこともある」(梨園関係者)

 銀座ホステスへの性加害報道に揺れた、いとこの市川中車(俳優・香川照之)の歌舞伎界への復帰に尽力した猿之助。一方、自身がかつて俳優業に進出した際、中車にさまざまな手助けをしてもらっていたが、Xのドラマ出演などについても相談していたという。

 猿之助が残したという遺書≠ノは「遺産をXに相続させてやってほしい」といった趣旨のことが書かれていたといわれる。

 まだまだ謎の多い今回の事件。捜査の進展が待たれる。

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