NEWS ONLINE 編集部  公開:2023-05-16(2023-05-16更新)

キャスターの辛坊治郎が5月16日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。東京都品川区大井の老人ホームの建設現場で同日、20トンのクレーン車が横転し、アームなどが付近の車3台を直撃して2人が死傷した事故を巡り、「過去に何度も繰り返されている事故なのに、まだ起きるか」と警鐘を鳴らした。

16日午前10時ごろ、東京都品川区大井の老人ホームの建設現場で20トンのクレーン車が横転し、アームなどが付近の車3台を直撃した。トラックに乗っていた男性が重症で、巻き込まれた車内の男性は死亡が確認された。

辛坊)同様の事故は過去にもかなりの件数で起きています。仙台労働基準監督署が出している冊子によると、平成27年から令和元年までの移動式クレーンの横転事故は10件です。原因は、1件だけが「強風」という特殊な事情でした。その他は、6件が過重制限を超えて重い物を吊り上げたことによる「過負荷」、残る3件は「地盤」でした。地盤が原因とは、地盤が軟弱だったためバランスを崩して横転してしまったケースです。

クレーン車には、「アウトリガー」と呼ばれる車両を地面に固定する、人間でいえば足のような支柱が付いていいます。しかし、アウトリガーを固定する地盤が軟弱だと、クレーン車の加重を支えきれません。ですから、作業前に地盤の強度を確かめたうえで、強度が軟弱であれば鉄板を敷くなどの補強を施してから作業に取りかかるのが普通です。仙台労基署がまとめた先のデータによると、横転事故10件のうち過負荷と地盤で原因の9件を占めていますから、大半が人的ミスということになります。

クレーン車は横転すると、今回のような悲惨な結果を招きます。過去に何度も同様の事故が繰り返されているのに、まだ起きるのかという感じがします。作業現場の人たちは一生懸命に保守・保安に取り組んでいるのでしょうが、よほど注意しないと、同様の横転事故は繰り返されるということです。

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