2023年5月6日 19時29分

試合後、印籠を持つ祖父の伊吹吾郎(左)とポーズを取る伊吹遼平
https://static.chunichi.co.jp/image/article/size1/a/2/b/6/a2b60d879fad22abd05bac8d9ec94d81_2.jpg


 ボクシング東日本新人王ミドル級予選が6日、東京・後楽園ホールで行われ、この試合がデビュー戦となる俳優・伊吹吾郎(77)の孫、
伊吹遼平(27)=三迫=が小林壮太(シュウ)に2回2分15秒TKOで勝ち、2回戦へ進出した。体力が切れかけた状況で右から左のコンビネーションを決め、チャンスを逃さずラッシュをかけて勝利をもぎ取った。

【写真】リング上で「この紋所が目に入らぬか」

 時代劇「水戸黄門」で格さん役を務めた祖父が最前列で見守る中、水戸黄門のテーマ曲で入場した遼平は初回から前へ出続けて強打を振るパワーボクシングを発揮。勝利後は持参した印籠で祖父とともにポーズを決め勝利を喜んだ。
 「控室ではほどよい緊張感だったんですが、リングに上がって、最前列の祖父の顔も見えて、これがプロだと思うと力んでしまって。スタミナが切れかけましたが、勝ててよかった。勝たないと印籠の出番もなかったですから」と遼平。
勝利を見届けた祖父は「今までボクシングは何度も会場で見てきましたが、身内が出るとなると胃が痛くて。初めての映画のクランクインの時を思い出す緊張でした。
よくやったと抱き締めてあげたい。印籠や水戸黄門の入場曲を使ってくれるのもうれしい限りです」と、満面の笑みだった。
 遼平は今回、計量から祖父に託された印籠を持参してきたが、今後は全日本決勝で勝つまで印籠を”封印”するという。「あまり祖父にばかり頼っていてもよくないですから」と、遼平。次の目標は、全日本新人王を奪って再び祖父とともに印籠を掲げることだ。

https://www.chunichi.co.jp/article/685203