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オーストラリアGPでアップデートを投入したアルファタウリ(Red Bull Content Pool)

アルファタウリ、最初の一歩。低速域のパフォーマンス改善狙ったアップデートは「期待通りの性能を発揮」
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 アルファタウリは、2023年のマシン『AT04』が期待されていたようなパフォーマンスを持っておらず、不本意なシーズン序盤を過ごしているが、チームは特に不足していると思われるエリアの改善に努めてきた。

 その最初の成果は、第3戦オーストラリアGPで発揮された。フロアボディ、フロアフェンス、フロアエッジ、ディフューザーがアップデートされたのだ。

 レース終盤の混乱も味方し、チームにとっても今季初ポイントとなる10位入賞を果たした角田裕毅は、FP1でコースオフしたことによりこの新フロアを予選・決勝で使うことができなかったが、このアップデートは中団争いの上位に食い込むための重要な一歩であることは間違いない。

 これらのアップデートは、大部分がマシンの床下に隠れており、簡単に見ることはできない。チームの発表によれば、プランクがマウントされるフロア中央部の幅を2ヵ所、長さ方向に広げているという。これは、現代マシンにとって非常に重要なフロア下の気流をコントロールする上で重要な一手だろう。また、リヤの衝撃吸収構造に近いエリアにも変更が加えられているようだ。

■ フロアのアップデートをチェック!

 外観から見て変化が分かりやすいのは、フロアのベンチュリトンネル入口周辺だろう。新しいフロア(写真上)の青矢印部分がコブのように盛り上がっているのが分かる。これにより、スロープがより急激に落とし込まれており、フロア下の気流の挙動も大きく変わっているはずだ。

 外側のフロアフェンスも変更。フロアエッジの合法性を保つために使われていた補強なども排除されており、後部の形状を改善しフロアエッジウィングと連動させることで、より幅広い条件下で安定した流れの挙動を実現している。

 さらにディフューザーの形状変更により、タイヤによる乱流の問題を解決するとともに、より上流の改善された気流を活用し、性能を引き出すことができるようにしている。

 テクニカルディレクターのジョディ・エギントンは、今回の変更は主に低速域のコーナリング性能を向上させることに重点を置いていると説明した。

「低速域のエアロ性能(の改善)は、どのチームでも目標に掲げていることだが、プレシーズンでは、その目標を達成することができなかった」

「今回のアップデートは、低速域の進入安定性を向上させることを目的としている」

「低速コーナーに突入する際の安定性を高めることで、ドライバーはコーナー進入時により強くプッシュすることができるようになる。その結果、パフォーマンスが向上するんだ」
「今回のアップデートは、そのあたりの性能を向上させることにフォーカスしている。もっと詳しく言えば、車高が高くなった時のフロア性能を向上することで、我々は一歩前進した」

「しかしひとつのパーツ、一回のアップデートで問題が解決するわけではない。これが最初の一歩だ」

 角田はこの新フロアを2日目以降使うことができなかったが、チームはニック・デ・フリーズの走行データ勇気づけられたという。

「(新フロアは)期待に応えてくれた。クルマの性能を向上させるという点では、かなり満足している。だから、これは期待に沿ったものであり、今後の我々の基本的なフロアスペックとなる」

「しかし、もっと重要なのは、これはフロア開発の最初のステップに過ぎないということだ。これからもっと多くのモノが出てくる」

Matt Somerfield

【写真】アルファタウリAT04のフロア比較(上が新型)
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