産経新聞2023/4/5 10:00
https://www.sankei.com/article/20230405-EJH2TSLPINNFHGFDGNDHOVYAU4/

駒大が2年ぶり8度目の総合優勝を果たした第99回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)から約3カ月。各大学で新チームの取り組みが進んでいる。記念の第100回大会で優勝を狙う中大は、中間層の強化とさらなるエース級の選手の育成を進め、第72回大会以来の頂点を目指す。

1月の箱根駅伝。中大は吉居大和が2区で区間賞を出すなどして往路を2位で折り返すと、復路でもその順位を守り切った。22年ぶりに3位以内に入り、藤原正和監督は「1年間準備してきたことを100%出してくれた」と手応えを感じた。一方で、優勝に向けては「足りないところだらけ」。駒大と比較すると、浮き彫りになったのは選手層の差だ。

中大は吉居大や中野翔太ら主軸の多くを往路に投入。復路で駒大を抜く力が残っていなかった。また、箱根のポイントとなる山区間の5区、6区で、駒大は1年生を起用。今後への布石も打ったが、中大は4年連続で6区の山下りを任された若林陽大がチームを去り、新たな人材が必要になる。「この1年で、山で区間賞をとれるぐらいの選手を育成しないと優勝は難しい」と藤原監督はいう。

チームでは昨季、累計で自己ベスト120回更新を全体の目標に掲げ、チーム力の向上に努めてきた。実際、自己ベストは123回塗り替えたといい、今季は新たな目標を125回に設定。また、昨年7月から現役選手でありながら母校で指導に当たる大石港与(みなと)コーチが、中間層の底上げを図ることで、戦力の整備を進めていくという。

一方、チームの核となる吉居大や中野のようなエース級の選手を増やす必要もあり、高いレベルの選手が一緒になって切磋琢磨する「吉居グループ」を今季も継続していく。昨季は5、6人で構成していたが、「今年は新人含めて10人くらいで常時回していきたい」と指揮官はもくろむ。