3/29(水) 7:20配信 Full-Count

通算287発の田中幸雄氏が指摘「遠くに飛ばせるのが引っ張った時だけ」

 今季から新球場「エスコンフィールド北海道」を本拠地として戦う日本ハムは、30日に他球団に先んじて開幕戦を迎える。かつて“ミスター・ファイターズ”と呼ばれ、通算2012安打、287本塁打を記録した田中幸雄氏は「戦力的には厳しい」とチーム成績を最下位に予想する一方で「OBとしてはもちろん、優勝争いしてほしい」と浮上を願う気持ちも強い。そのために、脱皮を期待する選手もいる。筆頭が、昨季自己新の18本塁打を記録した清宮幸太郎内野手だ。オープン戦では5本塁打を放ってキングに。成長は本物なのだろうか。

 高校通算111本塁打、ドラフトでは実に7球団が1位指名で競合した清宮も、プロ6年目を迎える。2021年には1軍出場がなかったことを思えば、昨季の18本塁打は大きな進歩。ただ田中氏は打率が.219にとどまったところに注目する。「ツボに入れば一発があるけど、厳しいボールはなかなか打てていない。追い込まれて腰砕けのスイングになっている場面も目につく」と現状を分析。シーズン30本前後打つ能力はあると言うが、そのためには「せめて.240から.260打たないと」と、確実性のアップがカギだ。

 清宮の打撃には、打球がフライになる率が極めて高いという特徴がある。その中で、田中氏は気になる部分があると言う。「遠くに飛ばせるのが、引っ張った時だけなんですよね。左翼にも引っ張った時と同じスイングで飛ばせるようになると、率も上がると思います」。外角のボールを逆方向へ打つ意識と技術を身につけることで、確実性は高められるという。

「反対方向に強い打球を飛ばしたいという考えがあるのかどうかでしょうね。打者は外のボールに対しては力を出しづらい。ボールを引き付けて、全力で引っ張った時と同じような強さで振れるかどうかです」。もちろん技術の向上は必要だが、意識の上で追い風となる可能性があるのが、新球場「エスコンフィールド北海道」への本拠地移転だ。

 田中氏は、現役中に2度の本拠地移転を経験している。後楽園球場から東京ドームへ、さらに札幌ドームへと、どんどんグラウンドは広くなっていった。「東京ドームでは、練習ならどの方向にも本塁打が出ていた。ただ札幌ドームは……。練習でも逆方向へ入れるのは本当に難しかった。ドンピシャで打たないとホームランにならなかった」という。今回、日本ハムの本拠地移転は、グラウンドが狭くなるというこれまでになかった流れだ。当時の田中氏とは逆に「逆方向でも入る」という感覚を持ちやすいと言える。

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 エスコンフィールドは左翼97メートル、右翼99メートルという非対称形のグラウンドを持つ。左中間までは114メートル、さらに右中間はフェンスまで110メートルで、ほぼ東京ドームと変わらない。さらにフェンスの高さも5.8メートルから2.8メートルへと大幅に下がる。ふたを開けてみなければわからないが、田中氏も「フェンス際のギリギリがホームランになるはず。一番(本塁打が)出る球場になる可能性もある」という。

 昨季の18発は、とにかく試合にたくさん使ってもらった結果だと見ている。129試合で461打席に立った。一方で課題だった動きの“キレ”は、1年間を2軍で過ごした2021年に比べ「ちょっと上がってきたかな」という程度。「凡退した打球の質を見ると、打ち損じが多かったり、タイミングが合わないとスイングが緩んだりとか。もっともっと振れるはずなんですよ」。どんな球に対してもしっかり振れるようにするには、体のキレを上げて瞬間的なスピードを上げるのが第一歩だ。

「走っている姿や、守備を見てもなんだか『ふにゃふにゃ』していて、キレがないというかね……。多少良くなったと思いますが、もっと鍛えて、強くしないと」。昨季は開幕前の減量が話題になった。確かに見た目は細くなったが、プレーのキレにはまだまだ、つながっていないと田中氏は言う。「練習するしかないです。体幹を強くしてスイングをもっと早く。キレを出すしかないです。素振りは自分の好きなところを振るじゃないですか。大体真ん中からインコース。やっぱり外を振り切れていないので、そこをどうするか考えて練習しないと」とアドバイスを送る。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/b4514c3a1528fb6122b67ad3b4b048a01df2410a