WBCネット裏で白熱する「大谷獲得」の飽くなき戦い 金満メッツは1000億円を用意!
公開日:2023/03/16 11:05 更新日:2023/03/16 12:25

 16日のWBC準々決勝(対イタリア)に先発する大谷翔平(28=エンゼルス)の評価が急上昇している。

■「二刀流」評価爆上がりでメジャー球団が火花バチバチ

 かのベーブ・ルース以来の二刀流として一昨年にMVPを獲得、昨年はメジャー史上初めて投打の規定をクリア。
今オフ、FAになる大谷の来季以降の契約に関して、ニューヨーク・ポスト電子版のジョン・ヘイマン記者は総額6億ドル(約810億円)と予想。
すでに米スポーツ史上最大の契約になることが確実視されているが、その評価は今回のWBCでさらに上がるという。

「メジャーリーガーにとって、WBCはスプリングトレーニングの延長のようなもの。
それでいて投げて160キロをマーク、打って140メートルの本塁打を放った。
体つきを見ても、ひと回り大きくなった印象で、昨年より明らかにパワーアップしています。
調整途上ながら投打でチームの勝利に貢献して1次ラウンドのMVPに選ばれたように、
プレーオフの短期決戦でも結果を出せることを証明した。評価は確実に上がっています」とはネット裏のあるメジャースカウトだ。

 大谷は今回のWBCについて「今年初めての公式戦というか、本番の試合なので、正直、どこまで出せるのかは、やってみないと分からない部分もあるし、
その日の調子にもよるので。いまの調整の延長線上で入りをしっかりできれば、十分、いけるんじゃないかと思う」と話している。
つまり「調整の延長線上」ながら160キロを投げ、140メートル弾を放ち、結果を出したところが評価を押し上げているのだ。

■東京ドームに敏腕代理人

 東京ラウンドのネット裏には、メジャースカウトが大挙して押し寄せている。
彼らの目的は今オフ、ポスティングシステムを利用したメジャー挑戦が有力視される山本由伸(24=オリックス)、
今永昇太(29=DeNA)、松井裕樹(27=楽天)らをチェックするだけではない。

 前出のスカウトとは別のメジャースカウトは本紙コラムでこう書いている。

「今回はスカウトだけでなく、アシスタントGMクラスも何人か来日している。メジャー志向の選手をチェックするのはもちろん、
彼らにはもうひとつ大きな仕事がある。今季限りでFAになる大谷翔平に関してだ。
(中略)アリゾナから来日したプライベートジェットには代理人であるネズ・バレロ氏も同乗していたという。
彼も含めた周囲の関係者と良好な関係を築いておくことは、大谷がFA市場に出た際にプラスになる。
ウチの球団はともかく、すでに、あれこれ画策している球団もあるのではないか」

 大谷の代理人であるバレロ氏は、昨年のサイ・ヤング賞投手のアルカンタラ(27)ら多数の大物メジャーリーガーを顧客にもつスーパーエージェント。
多忙を極める敏腕代理人がわざわざ大谷とともに来日、連日、東京ドームに足を運んでいるのだ。
大谷の考えを熟知し、球団との交渉の窓口に立つ人が目と鼻の先にいるのだから、
「あれこれ画策する球団」があって当然。指をくわえて見てる方がむしろ不自然ではないか。

■金満オーナーが熱望

 東京ドームのネット裏にはヤンキース、ドジャース、メッツ、カージナルス、レンジャーズ、エンゼルスなどのフロント幹部やスカウトたちがいるが、
「メッツが大谷の補強資金として、すでに1000億円を用意したと聞きました」とは、さる代理人関係者。

 ヘッジファンドで財を成したスティーブ・コーエン・オーナーは、純資産が少なく見積もって約2兆2000億円という大金持ち。
2020年にメッツを買収した当時、「3~5年の間にワールドシリーズで優勝できなかったとしたら残念なこと」と発言。
買収から2年目の昨年はリーグ2位タイの101勝をマークしてプレーオフに進むも、初戦のワイルドカードでパドレスに敗退した。
オフは補強に5億ドル(約675億円)をつぎ込んで3年目の今季を迎えている。
そのコーエン・オーナーがワールドシリーズ制覇に意欲を燃やし、大谷獲得を熱望しているというのだ。

 メッツのGMはエンゼルスが大谷を獲得したときのGMだったビリー・エプラー。
大谷を口説き落とした人物だけに、東京ラウンドに3人のスカウトやフロント幹部を派遣したのも、それなりの勝算があるからではないか。

 かくしてWBCのネット裏では、さらに評価を上げた大谷をめぐってメジャー球団が激しく火花を散らしている──。

野球|日刊ゲンダイDIGITAL
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