2023年3月13日 18:36

東スポWEB

 映画監督の山田洋次氏(91)が13日、3日未明に老衰のため88歳で亡くなったノーベル文学賞作家・大江健三郎さんの訃報を受け、追悼コメントを寄せた。

 山田監督は「物事を考える上で、正しい指針を与えてくれる人がいなくなってしまった不安と悲しみに包まれています。加藤周一さんと大江健三郎さんの存在が長い間日本人にとってどれほど大切だったかを思いつつ、今大江さんを失うことが、現在のような混沌としたこの国の、さらに世界の状況にとって大きな損失だということを考えます。心ある日本人にとって、羅針盤を失ったような気持ちではないでしょうか」とコメントした。

 大江さんは、東京大学仏文科在学中に作家活動を始め、1985年に「飼育」で芥川龍之介賞を受賞。94年には日本人として川端康成に次ぎ、日2人目のノーベル文学賞を受賞した。

 また、平和、護憲を主張。65年に「ヒロシマ・ノート」、70年に「沖縄ノート」を著した。東日本大震災後、脱原発を訴えるなど、日本が直面する問題と向き合った。

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