日本サッカー協会(以下、JFA)が全日本空輸(以下、ANA)とこのほどメジャーパートナー契約を結んだ。期間は’26年12月31日までの約4年間、ANAは代表チームの全カテゴリーほか、選手、審判育成やグラスルーツ(どんなところでもサッカーができる環境づくり)などJFAの様々な事業をサポートする。1999年から支援を受け続けてきた日本航空(以下、JAL)からの乗り換え≠ノ踏み切った背景には、東京五輪談合事件を受けて中央省庁や全国の自治体から入札の指名停止措置を受け、JFAとのスポンサーの橋渡しをしていた電通のパワー弱体化があり、JFA幹部自ら電通に頼り切らずに、営業に奔走していた。

テレビ朝日・玉川徹氏の電通発言にテレビ業界が”驚愕”したワケ

◆「ついに電通1強時代にほころびが見え始めた」

かつてJFAのスポンサー契約担当者だった人物が神妙に話した。

「電通のパワーが明らかになくなった。100%任せっきりにできなくなった」

昨年12月、サッカー日本代表はカタールW杯で過去優勝国のドイツ、スペインを撃破し、日本国内は大いに盛り上がった。この3月、日本代表を支えたJFAは主要スポンサーとの契約更新時期。堂安律(ドイツ・SCフライブルク)やイングランドで活躍が止まらない三笘薫(ブライトン)など、今後の日本代表を背負う若手も台頭し、明るい材料が多いが、意外にもスポンサー契約が難航している。

毎年200億円近いJFAの収入は、パートナーシップ契約を結ぶ電通に頼ってきた。東京五輪談合事件が発覚し、電通に対する風当たりが強くなったとしても、同社が仲介した大手スポンサーがJFAを支えている構図に変わりはない。この状況でもJFAは電通とのパートナーシップ契約を更新し、4月1日から’30年3月末まで、8年総額350億円と他のスポーツ団体ではありえない、超大型契約を結んだ。

JFAは電通のみならず、1999年からユニホームなどのオフィシャルサプライヤー契約をアディダスジャパンと結んでいるほか、キリングループ、西鉄旅行などとも長年、契約を更新し続けてきた。

ただ電通が従来通り、スポンサー獲得や契約更新のために精力的に動いているかというとそうではないようだ。JFA関係者が明かす。

「東京五輪の談合で電通は逮捕者も出し、会社としても談合を認めましたよね。そこで電通のスポンサー交渉の動きが途端に鈍くなりました。支援を申し出てくれるスポンサー側も電通が絡んでいるという実態を明かしたくはない。そこで田嶋会長を筆頭にしたJFA幹部がスポンサー営業≠ノ動いているんです」

>>2以降に続く

https://news.yahoo.co.jp/articles/640c3ae281fd324ab5c0247a51f03c5b9d273bf6