2023.02.17(Fri)

北村 泰介

自伝的な著書「芸能人の帽子」(講談社)を手にする中山千夏。公演後、〝伊豆半島人〟としての近況を語った=静岡県伊東市
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 名子役から女優、歌手、テレビ司会者、声優、作家、参議院議員などマルチな才能を発揮した中山千夏(74)は今、静岡県伊東市を拠点に、地元の人たちに「生の舞台」を届ける活動を仲間たちと続けている。
伊豆の海で1000回以上も潜ったというスキューバダイビングは古希を迎えて卒業したが、現在も執筆活動の傍ら、家庭菜園やオンラインゲームを楽しむ。そんな中山に近況や舞台への思いを聞いた。(文中敬称略)

 原点は舞台だった。子役デビューは大阪だが、1959年、東京・有楽町の芸術座で上演された舞台『がめつい奴』での「テコ」という当たり役で注目されて上京。東宝で映画化、日本テレビ系でドラマ化もされ、11歳にして天才子役と称された。
釜ケ崎でたくましく生きるテコという少女像は、やはり大阪の下町が描かれる後のテレビアニメ「じゃりン子チエ」(毎日放送製作で81~83年、91~92年放送)の主役につながる。

 「チエちゃん、私もファンですよ。あの女の子、いいじゃないですか。元気で。(原作者の漫画家)はるき悦巳さんもテコを見られていて、『俺のイメージの中に(テコが)あったんかも知れんなぁ』と、おっしゃってました」。
声優として、チエは60年代に大ヒットしたNHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」の博士と並ぶ代表作となった。

 60年代後半から70年代に掛けてはマルチタレントの先駆けとして時代のちょう児となる。

 音楽では69年に自ら作詞したデビュー曲「あなたの心に」がヒットし、ポップス系のシングル曲を連発。
その一方、日本語の「音」を追求した歌詞、日本の古典芸能とプログレッシブロックを融合させたようなサウンドの先鋭的なアルバム「六つのこころみ」(71年)など隠れた名盤が近年、CDで再発されている。

 テレビ司会者としては68年から76年まで出演した日本テレビ系「お昼のワイドショー」で青島幸男、横山ノックという後に東京都と大阪府の知事になる人たちとも共演。
社会活動への意識も高いオピニオンリーダー的な存在となり、80年の参院選全国区では162万票を獲得して当選し、1期6年を務めた。

     ===== 後略 =====
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https://yorozoonews.jp/article/14839177