0001朝一から閉店までφ ★
2023/02/03(金) 07:02:19.17ID:oprRoCSe9【牧 元一の孤人焦点】2月3日公開の映画「突撃！隣のUFO」で初主演した落語家のヨネスケ（74）がインタビューに応じ、「僕が主演だとは思っていないけれど、これが最初で最後」と胸の内を明かした。
映画「いかレスラー」「ヅラ刑事」「タヌキ社長」などの異色作で知られる河崎実監督の最新作。UFO事件を調査する捜査員（ヨネスケ）たちの物語で、ヨネスケが1985年から出演して一世を風靡したテレビ番組コーナー「突撃！隣の晩ご飯」のパロディーの色彩が濃い。
「最初は出演するのが嫌でした。以前、ドラマ『陸王』に出た時、ちょっとしゃべるだけなのにテイク9まで行っちゃって、演技するのが嫌になってたんです。だけど、監督にお会いしたら『セリフは少なめだし、カンペも出す』と言われたので…。
愛知県蒲郡市のホテルに泊まり込んで撮ったんですけど、毎日、プレッシャーを感じてました。1週間、夜はホテルの部屋で酒も飲まずにセリフを覚えて朝も出かける前に台本を読んでました」
演じた捜査官はヨネスケ自身と同じようにカニが大好物。普段は無口だが、捜査先の家で人と対面した途端に「隣の晩ご飯」のヨネスケのように多弁になる。特撮ドラマ「ウルトラセブン」などで知られる俳優の森次晃嗣、「ウルトラマンジード」などで知られる俳優の濱田龍臣、AKB48の服部有菜らとの共演が新鮮だ。
「普段は無口な男なのでセリフが少なめで良かった。誰かの家に入るシーンは『隣の晩ご飯』の乗りでアドリブを効かせても良かったんです。あのシーンを見てもらえばヨネスケだと分かってもらえるでしょう。
森次さんは気を使って和ませてくれて、濱田くんは人柄が良くて物知りでした。濱田くんはセリフが多かったので、彼がいなかったらこの作品は成立しなかったと思います。完成した映画は監督のところに行って、じっくり見ましたが、自分の演技を見て、へたくそだなと思いました」
もちろん、この作品で芝居の巧さは求められていない。「隣の晩ご飯」のイメージがあってこその映画、ヨネスケが主演してこその映画で、その芝居のぎこちなさがむしろペーソス、笑いにつながっている。そして何より、「隣の晩ご飯」の生命力の強さを改めて感じる。
「みなさんは『隣の晩ご飯』をバラエティーだと思っているでしょうけど、実はドキュメンタリーなんです。例えば、誰かの家に入ると、遺影が飾られていて、ご主人と子供さんが亡くなったなんて話を聞いたり、認知症の方がいたりします。
今も、突撃風の番組はありますけど、本当に突撃したのかどうかは相手の表情を見れば分かります。僕は本当に相手の驚いた顔、嫌な顔、怒った顔、笑った顔、喜んだ顔を見て、そのまま家に入って良いのかダメなのか判断してました。それができたのは落語家だったおかげだと思います。
落語家は舞台に上がるまで何を話すか決めていなくて、舞台に上がって客層を見てネタを決める。お祭りに呼ばれて話したりバス旅行に同行して話したりもしていたから、突撃できるだけの感が養われたんでしょう」
あのコーナーがあったからこそ、この映画ができたことは間違いない。
「いまだに街で『晩ご飯』と言われるんです。これからは子供たちに『UFO』と言われるかもしれない。正直に言うと、この映画のことは恥ずかしいので仲間には内緒にしておきたいんですけど、みなさんにはこう言いたいです。くだらないと思って途中で帰らないでください。最後まで見ていただくと、ああ本当にくだらなかった…と良く分かりますから」
しゃれっ気のある作品が誕生した。
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2023/01/30/kiji/20230130s00041000193000c.html
◆牧 元一（まき・もとかず） 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。
