カタールW杯、グループリーグ。日本はスペインを2-1と逆転で撃破し、奇跡的にベスト16に勝ち上がった。今後も語り継がれるゲームになるだろう。「三笘薫の1ミリ」は、これからも何度となく動画で流されるはずだ。
 
 しかしスペインにとって、屈辱的な敗北で忘却の彼方に葬りたい一戦だろう。スペイン側に立った場合、彼らはなぜ敗れたのか?
 
 単刀直入に言って、彼らは日本を軽視していた。実際、ゲームが始まって、圧倒的優位にボールをつなぐことができて、あっさりと先制できたのもあるだろう。元世界王者の末裔には、「日本に負けるはずがない」というおごりが出ていた。
 
 象徴的だったのは、日本の猛烈なプレスに対し、頑固につなぎ続けたシーンにある。無理をする必要はないシチュエーションで、「お前らに取られてたまるか」という意固地さを感じさせた。結局、それが仇となった。
 
 同点ゴールのシーン、スペインは連動したプレスに対し、追い詰められながらクリアを選択していない。GKウナイ・シモンにボールを下げたが、そこもプレスの網がかかっていた。遠くに蹴り出しても良かったが、守護神はあえて左サイドのアレックス・バルデにつなげている。これを狙われてしまい、失ったところを堂安律に叩き込まれた。

 半ば自業自得である。この失点の混乱から、再び攻撃を浴び、三笘の折り返しを田中碧に押し込まれた。


 スペインはボールを支配し、攻めまくるためのチーム構造だった。中盤のセルヒオ・ブスケッツ、ペドリ、ガビの3人は世界屈指のボールプレーヤーで、ポゼッション率は大会ナンバー1。センターバックにも本来ボランチのロドリを配置し、ボールをつなげ、攻めるための選手起用だった。

 しかしルイス・エンリケ監督はポゼッションに固執し、自ら綻びを作っていた。

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2023年01月31日
サッカーダイジェスト

https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=125876