2023年1月6日

アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』は本当に名作?『ハルヒ』『けいおん!』と比べると…

TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』が最終回を迎え、近年稀に見る“神アニメ”としてネット上が盛り上がっている。同じきらら系のガールズバンドアニメとして一時代を築いた『けいおん!』と比較する人もいるようだが、両者にはどんな違いがあるのだろうか。


圧巻のライブシーンに感動

「ぼっち・ざ・ろっく!」は、『まんがタイムきららMAX』で連載中の同名漫画を原作としたアニメ。

中学3年間をギターだけに費やした“ぼっち”の主人公・後藤ひとりと、彼女が加入することとなった「結束バンド」の成長を描いた作品だ。

もともと「きららの最終兵器」と呼ばれるほど原作人気が高かったが、アニメ化でさらに広い層へと周知され、人気が爆発した。

そんな「ぼっち・ざ・ろっく!」はきらら系漫画では珍しく、“学校外のコミュニティ”にスポットを当てた異色作なのだが、アニメ最終回では「結束バンド」が後藤ひとりの高校の文化祭で演奏することに。

OPもなくいきなり始まったライブパートで、多くの視聴者の度肝を抜いた。

放送後にSNSなどでは、《本当に最高だった…》《アニメが好きな理由が全部詰まっている最高のアニメだった》《ぼっちざろっく終わり方天才すぎる》《満足感めっちゃ高い作品だった》といった絶賛の声が。早くも2期を待ち望む“難民”が続出しているようだ。

しかし、そんな「ぼざろ」フィーバーの中で、ネット上では《ハルヒやけいおんのライブ回のほうが動いてたわ》といった声も…。

“ガールズバンド”映像化の極致とも言える京都アニメーションの作品を引き合いに出し、さまざまな比較が行われている。

「けいおん!」との比較で見えてくる光景

たしかにアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の「ライブアライブ」で描かれた文化祭ライブは、アニメの“ライブシーン”の常識を変えたことで有名だろう。

それまでのアニメでは省略されていた、ギターの指の動やドラムの叩き方などを忠実に再現していた。

そのノウハウが「けいおん!」の演奏描写でも活かされ、社会現象を巻き起こしたのはよく知られている通りだ。

そんな2作品と比べると、「ぼっち・ざ・ろっく!」のライブシーンはさらにリアル寄りの演出になっていると言える。

とくに印象的だったのは、メンバーそれぞれのステージ上での動き。

たとえば後藤ひとりがエフェクターを踏みに行くシーンがあったが、これは「けいおん!」でも描かれなかった要素だ。

他にもアンプやドラムの音を取る無数のマイクや、バンドメンバーが“返しの音”を聞くためのモニターなどが配置されていることなど、これまでのアニメでは省略されがちだった機材も綿密に描写している。

そういった意味で「ぼっち・ざ・ろっく!」はアニメのライブシーンを、「けいおん!」よりもさらに一段階進化させた作品と言えるかもしれない。

今後「ぼっち・ざ・ろっく!」を超えるようなライブシーンは、アニメ界で出てくるのか。それが“ぼざろ2期”であることを願わずにはいられない。

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