柔道男子73キロ級で五輪2連覇を果たした大野将平(30、旭化成)が「第一線を退く意向を固めた」とする報道が昨年12月中旬にあった。各社も「パリ五輪は断念」などと続いた。

 ただ、大野自身は朝日新聞の取材に対して、「報道は本意ではない。進退がどうなるかは分からない」と、悩める胸の内を話した。

 大野は日本オリンピック委員会(JOC)のスポーツ指導者海外研修事業に応募している。また、全日本柔道連盟の強化指定選手から外れた。

 金メダルに輝いた2021年の東京五輪以降、男子73キロ級で実戦復帰できていない。24年パリ五輪をめざすことは難しい状況にはなっているが、パリへの切符をつかみとる道は残る。

 日本での報道を受けて、国際柔道連盟やフランスの五輪金メダリストのリネールらが「大野の引退」を惜しむコメントをSNSで出した。本人や所属チームは進退に関する発信を何もしていないなか、周囲が「引退」と外堀を埋める状況になっている。(野村周平)

朝日新聞社

https://news.yahoo.co.jp/articles/e44b1cb7ca9ac76e4769fc7ab307ed532cba571b