「システムに大きなショックをもたらす」

 ワールドカップでの活躍で、インテルに所属するオランダ代表のデンゼル・ドゥムフリースの評価は高まった。一部ではアーセナルの関心が報じられている。それは冨安健洋の去就を巡る噂にもつながった。イタリアからは、ドゥムフリースと冨安のトレード説が届いている。

だが、地元メディア『football.london』は12月15日、アーセナルに冨安を手放す理由がないと報じた。ミケル・アルテタ監督の下でプレミアリーグの首位に立つチームにとって、日本代表DFを放出してドゥムフリースを獲得するメリットはないとの見解を示している。

 同メディアは「アーセナルにとって右SBは、トミヤスやベン・ホワイトで規律が取れているポジションだ。両者とも思い切って前にも出るが、主に相手の左サイドの攻撃を封じる。そして左SBがより自由に攻撃を支える」と報じた。

「ドゥムフリースとトミヤスをトレードするのは、システムに大きなショックをもたらすし、バランスを大きく傾けることになる。おそらくクラブは守備の均衡をとるためにトミヤス級の左SBの獲得に投資を余儀なくされるだろう。トミヤス自身が左SBとしてプレーし、特にリバプール戦で活躍したことを考えれば皮肉だ」

 さらに、football.londonは「おそらく、アーセナルに先見の明があったという賛辞として受け止めるのが、インテルのトミヤスに対する関心の可能性に対して最も良いアプローチだ。アルテタは攻撃的な右SBのエクトル・ベジェリンからトミヤスとホワイトに切り替えたのである」と続けた。

「PSV時代に(ドゥムフリースが)右SBを務めたのは確かだが、彼のプレーは直近でより攻撃的になっている。報じられた金額で取引をまとめるのは、丁寧に言って疑問符がつく」

「アーセナルにはトミヤスという多才的な財産がある。売る理由がない」

 ドゥムフリースは決勝トーナメントのアメリカ戦でゴールを挙げるなど活躍した。冨安はコンディションの問題もあり、本人が納得するパフォーマンスを見せられなかった。ワールドカップでのインパクトという点では、ドゥムフリースに軍配が上がるのかもしれない。

 だが、地元の記者は、アーセナルが必要とする貴重な戦力は冨安とみているようだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/eaa43da00103003eeb693822f5187ea2f6e63cf2