《同じ地球上よね 違う惑星見てるみたいやけど》
《あちらはマスクなしで応援の世界線なんだね…異世界見ているような羨ましさ》
《画面の先はノーマスクで騒ぎ倒してるのに日本はいつまでやるんだろ!違和感しかない》

ドイツ戦の歴史的勝利とコスタリカ戦の惜敗と、日本代表チームの試合に一喜一憂するサッカーワールドカップ(以下、W杯)・カタール大会。そんな熱戦が繰り広げられているカタールの地が、まるで“異世界”に映るネットユーザーも多くいるようで。

「テレビに映し出される各国サポーターの姿を目の当たりにすれば無理もありません。私もそう思います(苦笑)」とは、現地取材に出向けなかったことを悔しがるスポーツ紙・サッカー担当記者。

「カタールの地を踏んだ各国サポーターはスタジアム外でもマスクを外し、というよりもマスクそのものを持っていないみたい。そして試合では誰ひとりとして周囲を気にすることなく、大声で歌い、自国チームに声援を送っています。

さらに外国人だけでなく、マスク着用“ルール”を粛々と守り続けている日本国内とは真逆となる、堂々と“ノーマスク”で応援する日本人サポーターの姿を見れば、これが本当に同じ世界なのかと嘆きたくもなるワケで……」

◆街中でマスクを外す人が増えた
W杯中継がもたらした“ノーマスク”の波は、瞬く間に国内にも及び始めている。東京・渋谷をはじめとした、サッカーファンや若者たちが多く集まるスポーツバーなどでは来場客の多くがマスクを外して応援する姿が見受けられる。

2022年5月に厚生労働省がマスク着用の見直し基準を示すも、いまいち国民に伝わっていなかったようにも見えた緩和策。しかし、W杯効果は政府以上なのか、新型コロナウイルス感染拡大の第8波という状況ながら、街中でマスクを外す人も徐々に目立つようになっている。

そんな世論の波を見計らってなのか、W杯開幕から3日後の11月23日、自民党の萩生田光一政調会長は岐阜市内での講演会に出席すると、

「国際会議でマスクをしているのは日本人だけだ。そのくらい世の中は変わってきた」と、日本が世界情勢から取り残されている現状を明かし、マスク着用の見直しについて言及。

すると27日、BSフジ『プライムニュース』に加藤勝信厚労相が出演すると、「メリハリは大事」としつつも、あらためて屋外でのマスク不要を視聴者に呼びかるとともに、コロナを感染症法上の「2類相当」から「5類」への引き下げにも「議論はあり得る」と言ってみせた。

松野博一内閣官房長官も翌28日の会見で、「マスク着用のルールを含めた今後の感染対策のあり方や、重症化リスクの低い患者をはじめとする外来医療費等の後期支援のあり方についても引き続き検討していきます」と、“ルール”の見直しを“検討している”現状を説明。

連日の支持率低下が伝えられる岸田文雄首相と内閣だけに、“検討”ばかりのコロナ対策でようやく動き出した、ということだろうか。そして日本でもマスク着用ルールに縛られずにスポーツやコンサート、イベントを楽しめる、また日常生活を取り戻す日も近いということだろうか。

2023年3月には、野球の世界大会である『ワールドベースボールクラシック(以下、WBC)』の国内開催を控えている。『ロサンゼルス・エンゼルス』の大谷翔平選手の出場も期待されるだけに、当日のスタジアムは『侍ジャパン』を応援するファンで超満員になることは必至ーー。

観客同士の感染やクラスターを防ぐべく、それぞれが独自の感染対策をしてきたJリーグやプロ野球。2022年シーズンには、観客制限を設けた“声出し応援エリア”内に限って、サポーターやファンが声を出して応援できる環境も整えてきた。それでも国内スポーツ観戦の場では、国や各自治体の“要請”に則ってのマスク着用が前提で、来場者は文句を言うことなく従ってきた。

コロナ禍のスポーツ現場を取材してきたスポーツジャーナリストは、「世界の常識から取り残された、日本のさらなる“ガラパゴス化”を露呈することにもなりかねない」と、現状ルールを適用した場合のWBCに危機感を募らせる。

今回のWBC開催地として、1次ラウンドは日本、アメリカ、台湾の3か国。準々決勝を日本とアメリカ、そして準決勝以降はアメリカでの開催が予定されている。

このアメリカは2022年3月に全州で、9月には公共交通機関におけるマスク着用義務を撤廃。そして台湾もまた、12月1日から屋外でのマスク着用義務を撤廃と、それぞれが国の主導のもとで“ノーマスク”の日常を取り戻しつつある。

◆日本人だけがマスクをする異世界に

※以下リンク先で

週刊女性11/29
https://www.jprime.jp/articles/-/26021