11/26(土) 22:13配信

中日スポーツ

サッカーW杯カタール大会で1次リーグE組の日本は27日午後1時(日本時間同7時)からアルラヤンで第2戦のコスタリカ戦に臨む。日本が勝てば、アジア勢で初の2大会連続となるベスト16入りが決まる可能性がある。初戦のドイツ戦で決勝点を決めたFW浅野拓磨(28)=ボーフム=はスタメン出場が濃厚。「大舞台に強い。持っている男というのは感じる」と日本史上2人目のW杯2戦連発に照準を合わせた。

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 浅野の表情は自信に満ちあふれていた。たった1点、されど1点。ストライカーにとって極限状態のW杯で挙げたゴールは、何物にも代え難い原動力となった。

 「試合前からやれる気しかない。集中力と持っているものを全て出すことができたら、結果は出せるという自信を常に持っている。自信をぶつけられるメンタリティーは自分のストロングポイント」

 道のりが険しかった分、反骨心は強くなった。前回大会直前。浅野は最終選考で漏れ、練習パートナーとして同行した。複雑な思い、悔しさが渦巻く中、2010年南ア大会でサポートメンバーだった香川真司(現シントトロイデン)からの「この経験が次につながるから」という言葉をかけられ、少しだけ救われた気がした。「同じ経験をしている人。その言葉を信じて頑張ろうと思った」。悔しさをエネルギーに転換。一歩でも、半歩でも、いや地をはってでも前に進んできた自負がある。

 代表メンバー発表の前々日。その香川が浅野の自宅にひょっこり現れた。「真司さんもメンバー入りをこれっぽっちも諦めていなかった。でもわざわざ来てくれて、別れ際に『大丈夫。拓磨はメンバーに入るよ』と言ってくれた。本当にパワーをくれたと思う」

 今季はドイツ1部で6試合無得点。今年9月に右膝靱帯(じんたい)を断裂するけがを負い、戦列復帰前のメンバー選出には懐疑的な声、批判的な意見が噴出した。「信じてくれていた人のために準備してきた。何を言われても、自分のために準備してきた」。ブレない心で歴史的勝利のヒーローとなり、雑音をシャットアウト。そのドイツ戦後、香川から「おまえスゲェよ」と連絡をもらった“ジャガー”は再び雄たけびをあげる腹づもりだ。

 2013年、J1広島に入団した当時、チームを指揮していたのが森保監督。右も左も分からぬ中、厳しく、温かな期待に応えようと必死だった。長い月日を経て培い、育まれた“特別な関係”だ。「お互いが信頼できているからこそ、奇跡と言われるような結果が生まれるのかな」。浅野による2002年日韓大会の稲本潤一(現南葛)以来、5大会ぶりの日本人2連発が「8強ロード」の道標になる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d8821afc5f106ecbe0464e7748c65e8da6ae867e

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