0001フォーエバー ★
2022/11/21(月) 06:37:47.80ID:9NYWKLr/9産経新聞
20日に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会では、アディダス製の公式球「アル・リフラ」が使用される。大小2種類のパネル計20枚で構成され、開催国カタールの国旗や文化、建築物をモチーフにしたデザイン。アラビア語で「旅」を意味するボールはどんなドラマを生むだろうか。(大石豊佳)
【写真】真珠をイメージした光沢がある公式球「アル・リフラ」
W杯の公式球は、1970年メキシコ大会から14大会連続でアディダス社が開発。2010年南アフリカ大会の「ジャブラニ」は無回転のブレ球で話題を呼んだが、アル・リフラもある特性を持っているようだ。
過去の公式球と比較し、「アル・リフラが一番曲がる」と証言するのは工学院大の瀬尾和哉教授だ。瀬尾氏は実験で、ゴールまで25メートルの直接FKでカーブをかけた際の曲がり幅を検証。初速約100キロ、毎秒6回転、打ち出し角15度の条件でシミュレーションしたところ、ジャブラニの1・06メートル、18年ロシア大会の「テルスター18」の3・71メートルに対し、アル・リフラは4・13メートルを記録した。つまり前回大会の公式球よりもほぼボール2個分(42センチ)、曲がり幅が大きくなった計算になる。
攻める側は直接FKやミドルシュートで恩恵を受けそうだが、ゴールマウスを守るGKにとっては難しい対応を強いられる。瀬尾氏は「キーパーが直接FKの際にいつもと違ったポジショニングをすれば、逆を突かれる可能性が高くなる。今大会の公式球は、ブレ球ではなく曲がり幅というところでGK泣かせになる」と話す。
一方、ボールやキックの研究を長年続ける筑波大の浅井武名誉教授によると、アル・リフラは近年の公式球で最も空気抵抗を受けにくく、振りの小さなキックでも飛びやすいという。その秘密は「凸凹があって表面が粗い。大げさに言うとゴルフボールに近い」(浅井氏)とされる構造にある。飛距離を伸ばすため、ゴルフボールに多数の小さなくぼみ(ディンプル)があるのと同じ理屈だ。
浅井氏が行った風洞実験では、アル・リフラが受ける空気抵抗の指標は、「完全な球体」に近づけるべく開発されたジャブラニのほぼ半分という結果が得られたという。
浅井氏は「飛びがいいので、クイックなシュートが蹴りやすいと思う」と指摘する。シュートのみならずパスのスピードアップも見込まれるだけに、試合展開の一層の高速化を後押しするかもしれない。
選手の反応はどうか。Jリーグでは5月から、アル・リフラを公式球として使用。W杯前最後の実戦となった17日のカナダ戦で先制ゴールを決めた相馬勇紀(名古屋)は「そこまで癖のないボールかなと思う。芯に当たったら飛びますね」と印象を口にする。
かつての日本代表は中村俊輔や遠藤保仁、本田圭佑らFKの名手を擁し、セットプレーが大きな得点源だったが、近年はキッカー不在が叫ばれて久しい。W杯ではアル・リフラの特性を生かし、意表を突いたミドルシュートや鮮やかな直接FKで世界を驚かせたい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b82381fe5e6945981d3bedcab38f58810eff3749
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