中日スポーツ 11/20(日) 21:48

千代大龍
◇20日 大相撲九州場所8日目(福岡国際センター)

 元小結の千代大龍(34)=九重=が20日、日本相撲協会に引退届を提出し受理された。中日で潔く土俵を去った男は協会には残らず、焼き肉店開業を目指すという。

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 引退した千代大龍は協会を離れ、第2の人生を歩み始める。

 取材に応じた師匠の九重親方(元大関千代大海)は、7日目の取組後に話したときの様子をこう説明した。

 「やめさせてくださいとは言わないけど、もう…って感じで。うかがいを立てるみたいな。もう限界ですって、そんな感じ。こっちが言葉を拾ってあげるような」。そんな千代大龍の思いをくみ取り引退を承諾した。

 初めて相談を受けたのは秋場所後。「土俵上で思うように相撲が取れない、力が出ない」と聞かされたときは「師匠としては体の張りとか見ても引退するような体じゃないし、自分も33歳のときに引退したから、ちょうどそういう時期だなと思って」と奮起を促し、引きとめた。だが、今回は「もったいないけど、しょうがない」と受け入れたという。

 現役時代は自由奔放な言動で人気を集めた。そんな千代大龍から引退後も目が離せない。

 関係者によると、来年にも東京都内一等地で焼き肉店開業を目指し、年内に海外での研修も視野に入れているという。

 師匠は「分かんないから、彼の言うことは」と前置きし、「飲食店をするのが夢だとは聞いたけど。ちゃんこ番もやったことないからね。おれの頭もクエスチョンマークだったけど。大丈夫かって。野菜も切ったことないから」と笑わせた。

 それでも新たな夢を追いかける千代大龍に「夢を邪魔することはできないから。第2の人生、何があっても応援するから頑張りなさいって」と送り出した。

 ◆千代大龍秀政(ちよたいりゅう・ひでまさ) 本名・明月院秀政。1988年11月14日、東京都荒川区生まれの34歳。181センチ、189キロ。九重部屋。葛飾区立大道中入学後から相撲を始め、都立足立新田高から日体大へ。学生横綱に輝き、元横綱千代の富士の先代師匠の下、2011年5月の技量審査場所に幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏んだ。翌年夏場所で新入幕。威力十分の当たりと引き技を生かして14年秋場所で新小結に昇進した。幕内在位58場所で金星は3個。三賞は技能賞1回。

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