「勝負にならない。11日の交渉解禁前に白旗みたいなもんでしょ」

 こう言って苦笑いするのは西武OB。FA権の行使を表明した近藤健介(29)を巡り、西武とロッテ、オリックス、ソフトバンクに残留交渉を続ける日本ハムを含めたパ5球団の大争奪戦が展開される中、

「ただでさえ複数のスポーツ紙が“ソフトバンクが4年総額20億円を用意”と報じているところに持ってきて、スポニチが“4年総額30億円の超破格条件を提示”とぶち上げた。近藤の今季年俸は2億2500万円。単純計算で年俸が3.3倍になる計算ですからね。ブラフだとしても、ソフトバンクが2年連続でV逸していることを考えれば、あり得ない額じゃない。資金力で劣る西武、日本ハムを厭戦ムードにする効果はありますよ」

 というのである。

 プロ11年で通算打率.307を誇る屈指の安打製造機が求める条件は、金額もさることながら、「契約年数を重視している」(近しい関係者)とされる。同じくFA宣言した森友哉(27)にもそれなりの金額を用意して残留を要請している西武が、そのうえで近藤獲得に名乗りを挙げたのも、近藤の意向を知って「金額を年数でカバーすれば…」と交渉の余地ありと判断したからだ。

 だが、ソフトバンクの条件はそんな一縷の望みをせせら笑うかのようなベラボーさ。近藤が権利行使を表明した当日、すぐさま報道陣の取材にオンラインで応じたソフトバンクの三笠GMが、記者からの「好条件か?」との質問に、「はい、もちろんです!」と即答してラブコールを送ったところを見ると、単なるブラフでもなさそうだ。

 あとは、オリックスとロッテが金額と年数を上積みしてどこまで対抗できるか。久々に札束が乱れ飛ぶ争奪戦になることは間違いない。

日刊ゲンダイ
https://news.yahoo.co.jp/articles/ebc548535ed1e60bed523d441fa005fa5caf09d3