大相撲の横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が、13日初日を迎える九州場所(福岡国際センター)について「体を動かし始めたのも最近。こんな状況だから無理じゃない? まだ分からないけど、親方と話して決めます」と明かした。7日、所属する伊勢ケ浜部屋の稽古後、10月に受けた両ひざの手術後の経過を説明。順調にリハビリに取り組んでいるものの、松葉づえなしで歩き始めたのは最近という。

 照ノ富士は悩まされてきた両膝の状態が悪化したことで、9月の秋場所を10日目から途中休場。場所後の秋巡業中に両膝の内視鏡手術を受けた。担当医から全治までにかかる期間は特に言われず「手術が無事に終わりましたとしか言われてない」としていた。

 この日は稽古場に姿を見せ、申し合い稽古では九州場所で新入幕の熱海富士に助言を送るなど部屋頭としての役割をこなした。自身は「今できることをやっている」とテッポウなど上半身の強化に専念した。

 大関時代だった17年にも両膝の状態が悪く休場が相次いだ。幕下陥落後の18年6月に手術を受けた後には4場所連続で全休。序二段まで落ちた。生活に支障が出ることは誰も望んでいないものの、本人は「序二段に落ちてからやり始めた時点で、それも覚悟の上でやっています」と強い決意がにじむ。横綱としての威厳ではない。「ちょんまげついている以上は責任ありますから」と自らを鼓舞し続ける。

 秋場所後に受けた横綱審議委員会(横審)からの激励も励みになっている。「『横綱がいないと場所が締まらない』とかありますけど、そういう肩に乗っている重みがちょっと取れたかな。そう考えてくれているなら、もう1回頑張るチャンスかな」。再起に向けて今できることを地道に取り組んでいる。

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